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最近、徹夜をしてもあまり学習効果はない、というデータや意見が聞かれます。
にもかかわらず、一夜漬けで試験にのぞんで、何とか無事に合格する人もいますね。
そんな人を見ると、少しうらやましかったり、
「私が今までしてきた勉強は何だったんだろう。」
「本当は、徹夜でも効果あるんじゃないか。」
と疑ったりしませんか。
本当に徹夜で覚えても、効果はないと言えるのでしょうか。
目次
記憶は脳にどう処理されるのか
日常の出来事は、どうやって記憶として残るのでしょうか。
まずは、みなさんの脳が記憶に残すためにどのような働きをしているのか、見てみましょう。
短期記憶と長期記憶
記憶は2種類に分けることができます。
短期記憶と長期記憶です。
短期記憶はその文字の通り、その時だけ必要になる記憶のことです。
長く覚えておく必要のない記憶で、たいていしばらくすると忘れてしまいます。
例えば新幹線に乗る時、出発時刻や座席番号を覚えて乗り込みますよね。
でも、それらは降りる時には忘れていませんか。
それは脳が短期記憶として処理したからです。
一方、長期記憶は時間の経過とは関係なく覚えている記憶のことです。
新幹線から見た富士山が忘れられなくて、一週間経ってもその光景を覚えているとすれば、それは長期記憶です。
長期記憶は、短期記憶から転換されます。
その転換に必要なのが睡眠なのです。
睡眠中、脳は記憶を片付けている
日常のことすべてを覚えていたら、頭がパンクしてしまいますね。
また、部屋を片付けていないと、どこに何があるか分からなくなってしまうのと同じで、記憶が整理されないと情報があちこちに散らばった状態になっていしまいます。
その問題を解決してくれるのが、睡眠です。
睡眠をとるこということは、体を休める以外に脳にも良い働きを促すのです。
脳がその日あった出来事を眠っている間に処理してくれています。
重要なことは記憶として残されますが、いらないものは記憶から消されます。
さらに、睡眠時に記憶が整理されることで、関連した情報を思い出しやすくなるのです。
脳が自ら、その日の出来事を分別してくれるのですね。
以上から、脳が記憶するのを助けるために、睡眠が欠かせないことが分かりました。
睡眠をとれば、勉強した内容が頭の中で整理されて理解しやすくなるのですね。
それでも徹夜をしたい理由
それでも、徹夜をしてテストに挑む人は出てきます。
なぜ徹夜をするのか、その理由を二つ紹介します。
勉強時間を確保したいから
一つ目は、睡眠時間を削ってでも「勉強時間を増やしたい!」という理由で、徹夜をする人もいます。
勉強時間が増えると、より多くの問題を解くことができ、知識を増やすことができます。
例として、AさんとBさんの勉強時間を比較してみましょう。
AさんとBさんは、夜9時に勉強を始めます。
Aさんは睡眠をとらずに勉強し、Bさんは午前0時には寝て、二人とも朝6時を迎えました。
徹夜したAさんの勉強時間は9時間ですが、睡眠をとったBさんは3時間です。
単純に言うと、AさんはBさんの3倍の勉強量をこなしたことになりますね。
確かに、勉強時間は1日の勉強量の目安になります。
ですが、夜通し勉強して時間を確保したからと言って、学習の質も上がるとは限りません。
本当にBさんがAさんの3倍を学習できたかは、疑わしいところがあります。
静かで集中できるから
昼間よりも人が活動しない夜は静かで、騒がしさに邪魔されにくいです。
その理由から、徹夜での勉強を選択する人もいるでしょう。
よくスポーツの試合でも、観客は静寂を求められますね。
何かに集中するには、余計な音がしない方が良いのです。
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なので、ある程度の生活音があるくらいの方が一番集中できますよ。
勉強をする上でも、集中力が求められます。
より集中するために、静かな夜から早朝にかけて勉強をはかどらせる人もいます。
しかし、それは眠気を伴う時間帯でもあります。
「眠いなあ…」と思いながら勉強しても、集中できたとは言えないのではないでしょうか。
だから徹夜しても覚えられない!
徹夜は学習効果が期待できない
Aさんは、徹夜をしてテストを何とか切り抜けました。
数日後テストが返され、無事に赤点から免れました。
「あー良かった。徹夜して正解だったわ。」
しかし、次の先生の言葉に、Aさんの頭は真っ白になります。
「今日から新しいところに入るが、テスト範囲だったところを理解していれば大丈夫だ。」
「あれ……。あの時確かに勉強したのに、全然頭に入ってない。」
なぜか、徹夜までして勉強したところが、Aさんの頭から抜けていました。
それは、記憶の定着の問題です。
先ほども述べたように、記憶をするには睡眠が必要です。
一睡もしないで暗記をしても「短期記憶」として処理され、時間が経てばほとんど忘れてしまうのです。
寝ている時に、その日の出来事を処理するからでしたね。
何かを覚えてから睡眠をとれば、その約3割は時間が経っても頭に残ります。
それを繰り返し行うことで、3割覚えていたことが6割、9割へと近づき、長期記憶として頭に入るのです。
徹夜して勉強時間を得ても、記憶に残らなければあまり勉強した意味がありませんね。
勉強は日々の積み重ねです。
記憶に残る勉強法を実践して、次のテストのために備えていきたいですね。
徹夜は脳に悪影響を与える
ずっと起きたままだと、脳に記憶が残らないだけでなく、悪い影響を及ぼす危険性があります。
徹夜は大脳の機能に影響し、集中力や記憶力が落ちるということが、科学的観点からも言われています。
睡眠をとらないと脳が疲れて、機能が低下してしまうのですね。
さらに、作業効率も悪化してしまいます。
一睡もせずに何かの作業を17時間以上行うと、その効率はお酒に酔って作業する時とほぼ同じくらいまで下がるというのです。
酔っぱらうと、まともに考えることができなくなります。
その状態と同じと言うなら、いくら夜の方が静かだからと言っても、集中して効率的に勉強することは難しいでしょう。
睡眠時間をとって勉強した方が、より集中できて効率的ですよね。
効率的なテスト勉強とは?
徹夜しても、勉強に大切な記憶の働きや集中力は低下してしまうということでした。
では、どのように勉強すれば、効率よく内容を頭に入れることができるのでしょうか。
まず言えることは、一夜漬けはやめた方がよいということです。
一晩で覚えたものは記憶として残りにくく、せっかく勉強したのに忘れてしまいます。
日々の授業では、理解の積み重ねが大切です。
教師は、前回の内容を理解したとみなして、次々と授業を進めていきます。
テスト後の授業で取り残されないためにも、定期テストの2週間前から計画的に勉強しておくと良いでしょう。
その2週間で、重要な箇所を何度も繰り返し勉強しましょう。
そうすることで、脳に「これは大切なことだぞ」と知らせるのです。
そして、大事なのがしっかり睡眠をとることです。
何度も述べてきましたが、睡眠と記憶には深い関係があります。
睡眠中に脳が勉強内容を整理してくれて、繰り返し入ってくる内容は長期記憶へと転換されていきます。
そのため、夜に勉強して睡眠をとり、朝起きた時に昨晩勉強した内容をもう一度確認すると良いでしょう。
それを何度か繰り返す内に、次第に内容が頭の中にしみついていくでしょう。
そうなれば、テストでどんな問題が出ても、テスト後の授業も、心配ありませんね。
まとめ
①記憶は脳にどう処理されているの?
- 短期記憶と長期記憶に分けられる
- 脳が記憶を処理するのは「睡眠中」
②それでも徹夜をしたい理由とは?
- 勉強時間を確保したいから
- 静かで集中できるから
③徹夜をしても覚えられない理由は?
- 徹夜は学習効果が期待できない
- 徹夜は脳に悪影響を与える
④効率的なテスト勉強とは?
- 定期テスト2週間前からこつこつ勉強する
- 重要事項は何度も繰り返して勉強する
- 夜に学習したことを朝もう一度確認する
睡眠不足は脳にも悪影響がありますし、体の健康も害する危険があります。
テスト前に一夜漬けでのぞむよりも、睡眠をしっかりとって、日々こつこつ勉強をしましょう。
それが、みなさんのためにもなります。
そして、より効率的なテスト勉強として挙げられるのは、このような方法です。
これらを実践することで、より記憶に残りやすく覚えやすい学習ができるでしょう。
「徹夜で勉強してきた」という人がいても真似をしないで、計画的に勉強に励んでくださいね。
難関大学を目指す!となりますと高校1年生の頃からコツコツと勉強していくことが必要になります。
そして、コツコツ勉強することも大事ですが、そのやり方を間違ってしていたら、その努力も台無しになります。
そこで、高校生になりましたら塾に行って学習するのがオススメになります。
中学生の場合は、塾に行くと終わる時間が遅くなるため、帰り道に不安がありますが、高校生になるとその心配も無くなります。
さらに、この頃になりますと、勉強は外でして家ではゆっくり休むとメリハリをつけた方がモチベーションを維持するためにも必要になります。
そして、塾の場合自習室がありますので、空いている時間は自習室で勉強する習慣をつけるとさらに良くなりますよ。
そのことについて紹介しているのはこちらの記事になります。
地区最難関の高校に進学した少年が、勉強に支障がない部活動と塾の両立を行い、途中成績が下がるが最後は挽回して大学に合格する話になります。
テスト期間中、クラスにこんな人はいませんでしたか?
「俺、徹夜してきた。」と言って、自慢げにアピールをする人。
果たして、彼はテストで実力を発揮できたのでしょうか?
発揮できたとしても、それは本当に彼のためになるのでしょうか?