中学受験と聞くと、クラスで何人か優秀な生徒が受験するもので、大体5年生~6年生くらいから塾や家庭教師の力を借りながら入試に挑むイメージを持っていませんか?
私が子どもの時では周りでも塾通いをしている友達は少なく、大多数がそのまま地元の公立中学校に進学し、その後高校受験をする人がほとんどでした。
また、中高一貫校に進学したクラスメイトが数人いましたが、皆同じように授業を受け、放課後は友達と遊ぶという過ごし方をしていたように思います。
(もしかしたら週に何回かは塾や家庭教師の日があったのかもしれませんが。)
当時は彼らにあまり必死さを感じなかったというか、元々頭の良い生徒が、通常の生活+αで突破していった印象です。
しかし現代では事情は大きく変わっているようで、今どきの中学受験は昔より大変になっているようです。
確かに毎日塾通いをしているお子さんを見る機会が増えたように思いますし、時間もそこそこ遅いこともあります。
塾周りにはいつもたくさんの自転車が停まっていたり、送迎バスにはたくさんの生徒が乗っていたり…
そんな中で、「付いていけない。」「やる気を失った。」など、挫折を感じてしまう人もいます。
そんな時の打開策を仕事で学んだことからお伝えします。
近年の中学受験事情
上に書いたように中学受験というと、高学年から対策を取るイメージを持っていましたが、それは昔の話で、近年は小学3年生の2月から始める事が多いようです。
というのも、一般的に進学塾の新学期が2月にスタートする所が多く、小学3年生の2月から新小学4年生のカリキュラムに入るためです。
小学4年生~小学6年生の3年間で受験用のカリキュラムが組まれており、試験範囲を学習するのはおおよそ4年生で1割、5年生で6割、6年生で3割という塾が多いです。
学年別カリキュラム
塾のある生活・雰囲気に慣れ、受験対策の勉強の仕方を学びます。
4年生のスケジュールは比較的余裕があり融通が利くので、時間の使い方は家庭によりけりです。
勉強をする習慣を身に付け、5年生からの本格的な勉強に向けて備えます。
計算や読解力などの基礎はもちろん、考える力を養う事が大切な時期です。
解き方や公式をただ暗記するのではなく、なぜそのように解くのかを考えながら身に付ける学習習慣が、受験対策には重要になります。
4年生よりも、学習内容がより本格的になり、スケジュールもよりハードになります。
受験勉強の基礎固めとなり、勉強内容も一気に難しくなります。勉強時間や宿題の量も増え、着いていくのが難しくなり、挫折しそうになるタイミングでもあります。
特に算数につまづいてしまうお子さんが多いようです。新しい単元が次々登場し、暗記だけでは対応しきれないため、どうしてそうなるのかを考える力が更に必要になります。
6年生の1月~2月頃の受験に向けて、今までの学習の総復習と応用問題、志望する学校別の受験対策が主となります。
最後の追い込みということで、学習時間もさらに増え、睡眠時間を削って勉強する場合もあるようです。
夏休みも夏期講習でみっちり叩き込み、夏休み明け頃に志望校を決め、それに伴った学習・過去問題・模擬試験などをこなします。
人によっては、学校を休んで試験対策に費やすこともあるようです。
中学受験が増えた背景
中学受験をする子どもの数も増えていて、昔とはだいぶ事情が変わっているようです。
その理由として、
- より高度で充実した授業を受けることができる
- 同等レベルのライバルの中で力を伸ばすことができる
- 地元の中学校に通わせることに抵抗がある
- 子ども本人が行きたい学校がある
- 中高一貫校の高校受験の定員が少なくなっている
- 又は募集自体が無くなっている所もある
などが挙げられます。
中高一貫校に通うことで、先々の大学受験に向けて充実したカリキュラムの授業を受けることができたり、同じような学力の子どもたちが集まることにより、より切磋琢磨し、高めあうことができるという考えのもと、希望する人もいます。
公立中学校では幅広い学力の生徒が通うため、学力の高い生徒は授業のレベルが低く感じ、あまり努力をしなくてもそこそこの成績をおさめることも可能です。
また、ライバルが中高一貫校に比べ少ないので、張り合いが少なくなります。
一方で、地元の中学校の評判があまり良くないため、できれば別の学校に行かせたいという主に親側の希望もあります。
また、子ども本人が、
「もっと勉強したい。」
「きれいな学校に通いたい。」
「スポーツで力を伸ばしたい。」
などの理由で進学を希望することもあります。
中高一貫校の高校受験の定員が少なくなっている事情としては、近年の少子化が影響しています。
私立の学校は、定員割れなどが経営状況にも影響していきます。
また、有名私立学校においては、レベルの高い大学への進学率が評判に直結してくるので、より優秀な生徒が必要なため、中学生を主に募集する所があるようです。
受験を希望するのは親か子か
当たり前の話ですが、中学受験をするのは子ども本人です。
しかし、受験を希望するのは子ども本人の場合もあれば、親が希望して子どもに受験をさせる場合もあります。
何事もそうですが、自分で決めた目標にはやる気も出てそれに向かって頑張ることができます。
しかし、親が受験を進める場合は、やる気やモチベーションが保てるようサポートしながら導く必要があります。
上記で説明したように中学受験希望者が増加する昨今、子どもの意思は置いてきぼりで親が自分の希望を押し付けがちになります。
また、思い通りにいかないと過剰に叱責したりして子どものやる気を削いだり、最悪の場合、親子関係の悪化にも発展してしまうこともよくある話です。
子どもの人生は子どものものですので、親の理想を押し付けすぎず、子どもの気持ちを考えるようにしましょう。
中学受験対策のスタートを切るのが早くて小学校4年生前後ということで、中にはまだよく内容が分かっていないお子さんも多い事かと思われます。
受験を希望する候補の学校の特色をアピールし、興味を持ってもらえるようポジティブに勧めましょう。
また、やってほしい事などを命令形で伝えると、威圧感を感じたり反発心を持ってしまう可能性があります。
あくまで提案するという形で、子どもの気持ちを尊重しながら伝えましょう。
明らかに子どもが嫌がっていたり、渋る時は一旦引くことも大切で、無理強いは禁物です。
学ぶ環境もよく検討する
近年の中学受験は、試験のレベルが学校の授業をしっかり受けるだけでは到底難しい所が多いようです。
学校では習わないような内容が出題されることもあります。
例えば算数では特殊算(鶴亀算、旅人算など)や難解な立体図形などの応用を使った難問が出題されます。
子ども自身の理解力が高く、且つ親が中学受験の内容を分かりやすく教えられるレベルの知識を持っており、さらに勉強に付き合える時間があれば、家庭学習のみでも合格は可能かもしれません。
ですが、そのようなご家庭はそう多くないと思います。
塾では受験用のカリキュラムや、志望校別指導など、充実した授業内容なので多くの受験生が通っています。
しかし、場合によっては成果を発揮できなかったり、やる気を無くしたりすることも出てきます。
そのような状況に陥った時には、別の手段を取ってみることも考えてみても良いと思います。
- 塾に相談し、可能であればクラスを変える。
- 塾を変えてみる。
- 家庭教師をつけてみる。(塾と併用するか、一本でいくか様子を見て決める。)
塾はどうしても集団で授業を受けるので、つまずいてもその場では解消できない場合が多いです。
またクラス内のレベルの差があり、「付いていけない」や、逆に「物足りない」などの問題が生じることもあります。
クラスの雰囲気によっては、さぼり癖がついてしまう可能性も少なからずあり、これも集団の環境ゆえです。
その点家庭教師はマンツーマンで教えてくれるので、理解できるまで聞くことができ、疑問を解消することができます。
家に来てくれるので、通塾時間も不要で時間の無駄がありません。
また、友達の誘惑などが無いので集中して勉強することができます。
塾と家庭教師を併用してみるのも良いですが、予算と時間が掛かります。
それぞれのメリットデメリットを考慮して、より子どもに合う選択肢を効率よく選ぶようにしましょう。
私の場合、親が中学受験を勧めてきました。
当時5年生だったのですが、それまでは公文式に通っており、算数・国語・英語を受講していました。
私自身、勉強が好きなほうではなかったのですが、学校のテストはそれなりの点数を取り、通知表もどちらかといえば良いかなという程度だったと思います。
私の親はいわゆる教育の環境や、レベルが高いほど良いと考えるタイプでした。
そこで、私に私立の中高一貫校に行かせようと考え、塾もすでに決められていました。
別にこれといった希望もなかったため、言われるがままに入塾テストを受け無事合格し、通塾することになりました。
その塾の売りは、少人数制のクラスなので、きめ細やかな指導ができるというものでした。実際クラスの人数は十数人だったと思います。
男女の比率は大体半分で、授業であてられることも多く、活気がありました。
別の学校の人達と接したのは初めてだったので、初めは人見知りをしていましたが、送迎バスでの時間もあり少しづつ友達ができてきました。
しばらくすると、クラス内での成績のレベルが固定化してくるようになり、成績の良い生徒が気の弱そうな先生やクラス内で成績が低い生徒を茶化すような場面が出はじめました。
少人数だったからか、クラスの雰囲気が染まるのも早く、全体的に私語が目立ったり、あきらかにふざけたりする生徒が増えました。
私もその雰囲気に飲まれ、勉強しに行っているというよりも、遊び半分という気持ちが出てきました。
元々高い志があって入塾していなかったので、あまりやる気が出ず、なんとなく通う日々が続きました。
現実を知ったのは、模試を受けた時です。合格には今一つ足りないというものでした。
塾で一緒にお喋りしたり、ふざけあう友達は余裕で合格ラインを越えていました。
同じように塾での時間を過ごしているのに、偏差値や合格率という数字で、差を突きつけられて、とても悔しかったのを覚えています。
しかしそのままその塾に通い続けたので、頑張ろうとしてもついお喋りに夢中になったり、友達との差にがっかりし、やる気が落ちたりを繰り返しました。
いよいよ受験本番!やはり内容はなかなか難しく、結果は不合格で終わりました。
全ては親の言うままになんとなく始め、なんとなく塾に通い、状況を変えようとしないままずるずると進んでしまったからだと思います。
その数年後、今度は弟が中学受験することになかったのですが、親は私の失敗を見越してか、初めから家庭教師をつけることにしたようです。
たまたまですが、家庭教師の先生が志望校の出身者ということもあり、校風などをリアルに聞くこともでき、さらにやる気がでたようです。
先生との相性も良かったようで、みるみる成績が上がり、見事合格することができました。
弟にはこの勉強スタイルが合っていたようで、それに努力が相まって実を結んだようです。
やはり努力と実力はもちろん、学ぶ環境もとても大事なんだと思いました。
志望校を変更するのは?
模試の結果を見たら、志望校に合格する確率が低かったり、過去問題をやってみたものの思わしくない結果になってしまったりで、第一志望に対して不安に思い、場合によっては心が折れそうになることがあるかもしれません。
そのような時に、志望校をもう少し安全圏に変更しようか…という気持ちに駆られることもあると思います。
果たしてそれは得策なのでしょうか?
「どこでもいいから受かりたい!とにかく地元の中学校には行きたくない。」
などという理由であれば、それもありなのかもしれません。
しかし、恐らく多くの受験生にとって、受験は人生の大きな分岐点であり、しっかりとした目標を持って挑む方が殆どだと思います。
そこで目標を下げることで、モチベーションを保つことができるでしょうか。
また、気持ちがブレてしまう可能性だってあります。
志望校の変更は期限ギリギリまで可能なので、できれば望んだ学校に合格できるようベストを尽くしましょう。
とは言っても、やはりどことなく不安が付きまとう…という方は、別の学校を併願で受験するという手もあります。
目標は一本に絞って最後までやりきるか、念のため併願で対策を取っておくのか、親子でよく相談して決めましょう。
万が一不合格だった場合
万全を期してベストを尽くしたにもかかわらず、不合格になってしまう事もあります。
やはり中学受験は一筋縄ではいかない厳しい世界なので、小学生にして現実を知ってしまい辛い思いがトラウマになってしまうことも。
しかし、まだまだ人生の分岐点は始まったばかり。
良くも悪くもこれから何度も訪れます。
公立中学校に通うことになっても、次の高校受験で取り戻すことは可能なのです。
もしかしたら、ずっと仲が良かった友達と同じ学校に行けることになり、もっと仲良くなれるかもしれません。
その後の高校受験で、もっと自分にふさわしい学校に合格できる可能性だってあります。
不合格だったといって責めたりして自信を無くさせずに、何年も努力した功績をまずは褒めてあげましょう。
まとめ
近年の中学受験は昔に比べてかなり変わってきているようです。
- 小学3年生の2月(新4年生)から始めることが多い。
- 4年生で勉強する習慣を身に付けるようにする。
- 5年生で本格的な受験勉強が始動する。
- 6年生で入試対策に取り掛かり、志望校別での対策も行われる。
中学受験をする人が増えた背景としては、
- 同等レベルのライバルと切磋琢磨しながら、より高度で充実した授業を受けることができる。
- 地元の公立中学校に通わせることに抵抗がある。
- 子ども本人が行きたい学校がある。
- 中高一貫校の高校受験の定員が少なくなっている。又は募集自体が無くなっている所もある。
などの理由があります。
中学受験に挫折してしまう要因として、
- 親が受験させることを希望し、子どもがそれに付いていけず、やる気を出せない。(モチベーションにずれがある。)
- 学ぶ環境が自分に合っておらず、さぼり癖が出てしまったり、やる気を失う。
- 志望校への合格に届かない成績を取ってしまった。
ということについて記載し、また対策として、
- 子どもにやる気を出させるよう、誘導する。決して無理強いはしない。
- 学ぶ環境を変えてみる。
- 志望校のレベルを下げるのは安易にするのではなく、ギリギリまで頑張る。
- 場合により、保険として他の学校も併願する手もある。
ということを挙げました。
あくまで受験するのは子どもであって、親はそれを的確にサポートする役です。
思い通りにならないからといって、責めたり押さえつけるのではなく、子どもの気持ちを汲み取りながら進めるようにしましょう。
親も子どもも、一丸となって挑む中学受験。
並々ならぬ努力を成し遂げた後には、結果がどうであれ、きっと親子の絆も強くなっていることと思います。
まだまだ長い人生、目標をもって頑張っていきましょう!
中学受験を受ける時に、一番気になる事が
「このままで合格するのだろうか・・」
と心配になる親は多いと思います。
人生には2〜3回(人によっては4回以上の時もあります)の大きな試練があります。
その1つめの関門が「中学受験」です。
ここで最初の線引きが行われます。
この中学受験を最高の形で終わらせる事ができるように、早い段階から対策を行なっていくのがいいです。
その事について紹介しているのがこちらになります。
小学校6年生の時には点数すらかかれないほど成績の悪かった少年が、家庭教師をつける事によってその地区で最難関の高校に合格する話になります。
高校合格の話ですが、小学校5年生くらいから対策すれば中学受験でも十分対応できます。
私の今住んでいる所では元々「高校受験から!」と言う感じでしたが、最近「中学受験から!」に変わりつつあります。
中学受験と言うと小学校6年生です。
まだ遊びが多い時期ですので、この時期に勉強をさせようとしても挫折する時が多いです。
その時の対策について仕事で学んだことを加えて説明していきますね。