うちの子のノート、連絡帳ですら、グチャグチャでなにが書いてあるかわからない。
「授業の内容がわかっているか心配。」
「このままだと勉強がわからなくなって手遅れになりそう…」
そんなことを不安に思ったことはありませんか?
ノートを取ることは、情報を整理する練習になります。
勉強ができる子どものノートは、とても分かりやすくまとめられていることが多いです。
勉強でいえば、ノートをまとめることが出来ると、わからない問題があっても、ノートを見返すことで解決できます。
社会人になってからも、自分で管理した情報を見返す事ができると、何にでも応用がききますよね。
とはいえ、わかりやすいノートのとり方ってどうすれば子どもに教えられるのでしょうか?
親も知っているようで、いざ子どもにわかりやすく教えようとなると苦戦することが多いものです。
「そもそもノートにまとめる事って必要なのかな?」
「まだ小学生だし、そんなに深く考えなくてもいいんじゃない?」
と思う方も、いらっしゃるかもしれませんね。
ここでは、小学生のうちからノートをまとめるメリットや、効果的な書き方、書きやすくする道具、姿勢や鉛筆の持ち方を、体験談と一緒にご説明します。
目次
小学生からノートに勉強内容をまとめるのはなぜ?
小学校に入ると、早速先生から
「ノートをとりましょうね」
と言われますよね。
しかし小学校の授業だと、教科書から離れた応用問題などを解く頻度は少なく、大抵は教科書を読めば答えを見つけることができます。
極端な話、ノートが汚くても学校の成績が高い子も多いと思います。
そういう優秀な子どもにありがちなのが、中学校・高校で勉強する量が増えるにつれて、記憶だけに頼ってこれた分、情報量に対応しきれずに成績が下がっていくケースです。
今の学力が良くても悪くても、一度受けた授業で忘れた部分、わからないことがあれば、ノートを見返して解決できる、それはとても大切です。
自分で書き出したノートから、必要な情報を取り出す事ができる力がつくと、何にでも応用がききます。
問題の答えは教科書に載ているけれども、自分がその答えを導き出すまでにどのような考え方をしたのか?そしてその中のどこが正解で、どこが間違っていたのか?
それをきちんと記録し、後々見返せるようにしておくのがノートの役わりなのです。
ノートのとり方を知らずに大人になった人
実際、大人にもノートのとり方を知らない人は多いです。
私自身、仕事で取引先の方と打ち合わせをしていて、相手の手帳が見えた時、こんなことを思ったことがあります。
- この人小さなスペースにごちゃごちゃ書いて、後で見返せるのかな
- 話している内容、すべて書いているけど、書くことに集中しすぎて話を聞いてるのかな?
- 今、大事なイベントの日時や場所、必要なものの話をしているのに、なんでこんな重要なことをメモしてないのかな?
これでは信頼を損ねることにもなりかねませんよね。
自分に合ったノートの取り方やポイントを知らなかったり、メモを取る習慣が無かったりするのは、大人になってもマイナスになることが多いのです。
子どもがそんな遠回りした人生を過ごさないよう、できるだけ早いうちから、きちんとしたノートの取り方を親が教えてあげましょう。
まずは、学校から帰ってきて、今日、なにを勉強したか、ノートを見て親に話してもらえる事を目標に試してみてくださいね。
ノートの役割
使い方や目的はさまざまです。
学校では自然に行われていることですが、重要性まで説明されることは少ないですね。
紙のノートを使って、大きく分けて4種類の使い方ができます。
①練習帳として (小学生全般)
目 的:漢字、算数の問題の反復練習として「書く」「問題をとく」習慣をつける
使い方:自分、人が読めるものを書く練習
②忘れないように書き残すため:備忘録 (小学生全般)
目 的:授業、先生が言ったことを思い出す、確認するための記録(連絡帳、授業中に黒板に書いてあることを写すなど)
使い方:黒板や、先生が「重要なこと」だと教えてくれるものを書き残す。ノートを読みかえせば確認できる程度に掻い摘んで書くのがコツ。
③勉強した事の整理保存 (小学生中学年以上)
目 的:調べたこと、分かったこと、感じたことをノートに整埋する
使い方:黒板の文字や、先生が話す事で、「重要なこと」を理解して、後で見返しやすいように、自分の言葉を付け足したり、色分けしたり、難しいと感じる点に目印をつけておく
④勉強したことに対して考えを深める研究的な使い方 (小学生高学年以上)
目 的:書きながら考え、考えながら書くこと。
使い方:授業を受けるだけでなく、自分の感想、意見や、先生に質問することを書き留めておく。
なんでそうなるのか、どうしたらわかりやすく理解できる(覚えられる)だろうと、全体の関連性を考えてストーリーで頭に思い描きながら記録する。
引用:子どもにとって「ノート」とは何か -「ノートを写す 「ノートをとる」ことの意味-
https://www.nps.ed.jp/nara-c/gakushi/kiyou/h17/data/a/a06.pdf
まずはノートを使って問題を解いたり何かを書き残したりすることで『ノートに書く』ことを癖づけるのが第一段階。
そこから徐々に、授業中に特に大事だと思ったことや、自分が理解するまでに時間がかかった事、先生が口頭で説明した教科書に載っていない補足事項などを記録に残し、後々見返せるようにしておく…
このように、まずは書くことに慣れ、次第に自分が後で見返しても内容がわかるように情報を整理して記録することが、ノートの大切な役割なのです。
ノートをとる習慣をつけて良かった声
知人や私の体験談ですが、このような意見がありました。
- 以前は、親も子どももノートを見返すことがなかった。ノートが見やすく書けるようになると、わからないところの復習や授業でどんな風に教わったかが親でもわかり、自宅で適切な予習復習ができるようになった。
- 家に帰って、ノートを見てから宿題をすると授業内容を思い出しやすくなった。宿題を解く時間の短縮にもなった。
- 子ども自身が授業中に記録したことを見返せるようになったので、ノートに書いたことを親に説明できるようになった
- ノートの取り方のコツがわかって、授業をただ聴いただけ、黒板を写しただけ以上に、勉強の内容を頭の中で整理する力がついた。
- 先生が、重要だと伝えたい事が理解できるようになった。
- ノートをとる事が目的ではなく、勉強を理解することを目的にして書くようになった。
- 授業の理解度が上がり、成績もよくなった。
- 先生が「重要、大切」と言う事以外にも、授業の大事なところを見極める力が付いた。
- 先生の話を聞いて、簡潔にまとめて記録する力が付いた。
- ノートをまとめることになれてきたら、家族で勉強についての話題が増えた。
ノートをとるデメリット
ノートをとることに慣れるまでは、上手くいかないことも出てきます。
これはノートに限らず何でもそうですし、大人になっても同じですよね。
始めて挑戦することには失敗が付き物ですし、それを乗り越えながら段々と身についていくものです。
以下は慣れない人がノートを取り始めた時に良くやってしまうことですが、自然とコツを掴めるようになりますよ。
- ノートを丁寧に取りすぎて、授業を聞きそびれた。
- ノートに余白を残して使うようになってノートを買う頻度が高くなった。
- しっかり書けているけれども、書くことに満足してノートは見返さない。
- 色ペン、蛍光ペンを多く使って、よけいに見づらくなった。
ノートをとる時に押さえておくべきポイント
表紙に書く事
まずは、ノートを使い始める準備として、表紙に以下のことを書いておきましょう。
単純なことですが、いちいち中身を開かなくても表紙を見れば何の授業のノートか一発でわかるようにしておくのも、効率を考えると大切なことです。
- 科目名 例)国語
- 使い始めた日付 例)2018年○月○日
- 名前
- 何冊目か 例)No,1、No,2
ちなみに、ノートは教科別に必ず分けましょうね。
たまに見かけるのですが、1冊のノートに国語も算数も理科や社会についても書いてある子どもがいます。
これでは、どんなにきれいに書いていても後で見返す時に時間がかかりますよね。
続きが書いてあると思ってページをめくったら、全然違う教科の記録が書いてあるのですから…
「続きはどこだ?」と何ぺージもめくって探さないといけません。
そんな癖を子どものうちからつけてしまったら、大人になった時の仕事の進め方や効率の悪さが思い知らされます…
くれぐれもそれだけはやめておきましょう。
中身の書き方
- 書きやすい字の大きさでノートは余白を残して使う。
(行が細いなど、罫線に入るように書くことが難しい場合は1行あけて書く ※子どもの字の大きさに合わせたノートを買うと◎) - 勉強した教科書のページを書く。
- 大事な部分は図・矢印・囲いで目立たせる。
- .なるべく消しゴムを使わない。2重線を引いて間違えた記録をのこしておくと、同じ間違えをしにくい。
(書き間違いなら消していいが、計算間違い、解き方を間違えたなど、考え方を間違えたものは消しゴムで消さない) - プリント用紙をもらったら、ファイリングするか、切り取ってノートに貼る。鉛筆で書くより時間短縮に有効。
- 授業中、黒板の文字より、先生が大事、重要と言ったものを聴いて書く。
特に上記の『間違えたものを消しゴムで消さず、残しておく』ことは重要です。
海外では子どもにわざと鉛筆ではなくペンでノートをとらせる教育を推奨している国もあります。
間違えたことを消してしまい、その上から正しいことだけを上書きしてしまうと、あとで見返した時に自分の考え方のどこが間違いだったのかを気づけなくなります。
そうすると同じ間違いを再度してしまうことにもなるのです。
間違いを消さず、間違いと正解の両方を書くことでそれを防ぐことができます。
授業中の座る姿勢
授業中の座る姿勢が大事というのは意外ではないでしょうか?
だらっとした姿勢になってしまうと、机にも向かいにくいですし、つい気持ちもぼーっとしてしまうものです。
ポイントは、骨盤を立て背筋を伸ばすこと。
そのための声のかけ方は、次のようになります。
子どもに伝えるとき、
「前かがみでお尻を一番後ろまでグイッと引いて座ろうね」
と言うとわかりやすいですよ。
座ってから体を起こすと、背もたれに支えられて骨盤が立つので、その上にある背骨もまっすぐ伸びます。
そのため、いい姿勢を保ちやすくなります。
鉛筆の持ち方
理想的な持ち方は、
- 人差し指の第二関節までペンが沿うようにする
- 親指を軽くあてがい優しく持つ
慣れないうちは違和感があり、この方が不安定に感じると思いますが、横に書く時は手首関節、縦に書く時は人差し指の第二関節を使うだけになりますので、線の方向が安定しますよ。
意外にも鉛筆って大人でも正しく持てている方少ないですよね。
これを機に子どもと一緒に持ち方を直してみてはいかがでしょうか?
使いやすいノート
【小学生 向け】
定番はやっぱりこちらですね。
小学生の学校の授業に合わせて作られていますね!
- どこでも買える
- 安い
- 丈夫
- 教科ごとに見分けがつきやすい
言うことなしです!
引用:ジャポニカ学習帳 | 【ショウワノート】ぬりえ・学習帳・人気のキャラクター文具が満載!
ちなみに、中学校以降はこちらのサイトで紹介されている選び方がおススメです。
あっという間に大きくなる子どもの成長に合わせて、事前に確認しておきましょう。
引用:ノートの科目別の使い方 | キャンパスノート スペシャルサイト | コクヨ ステーショナリー
ノートにまつわる体験談
体験談① 鉛筆の使い方を学んだ事で授業の理解度アップ
知人(Aとします)が子どもの頃、書道の先生から、字の書き方を学んだことで、ノートをとる事がスムーズになった話です。
この経験をきっかけに、書道に通うことで、字を書く力の入れ方、姿勢、スピードを身に付け、ノートを取る力がアップしました。
小学校3年生になったばかりのAさんは、緊張すると手汗をかきやすく、筆圧が強いうえに左利きでした。
1つの授業が終わる頃には、ノートは手汗で波打っているし、手の小指から下が、鉛筆の色で真っ黒でした。
力を入れすぎて、手も肩もつかれるし、勉強には体力がいるなと、いつもしんどい思いをしていました。
小学校3年生の夏ごろから、習い事で書道を始めました。
墨で書く場合もありますが、鉛筆(高学年になると万年筆)で書く時間があり、それが、Aさんのノートの取り方や勉強の仕方に大きく影響したんです。
習いたての頃、学校で書くようにゆっくり濃い字で丁寧に書いていましたが、書道の先生は字を見ただけで、どの部分に力が入りすぎているかを指摘してくれました。
また、鉛筆をもつ手の握りかたや、力を入れなくても、きれいな字が書けることも教えてくれました。
さらに、猫背で目線をノート10㎝くらいまで近づけて書いていた姿勢を正し、背筋をのばし、脱力した姿勢を習慣にする事ができました。
それによって、学校の授業でノートを書く事が楽になり、自然と書くスピードや授業中に視線をあげる頻度があがったため、授業の理解度が上がってきました。
どのくらいの字の濃さ、スピードで書いたらいいのか、先生が話すこと、黒板に書くこと、どれをノートに書いたらいいのか、考える余裕が出たんです。
学校では教わらなかったことを、書道の先生から学び、少しずつ勉強に目を向けることができたようです。
体験談② ノートが油でテカテカ事件
私の子どもの体験談です。
ある日、学校から持って帰ってきた子どものノートがあまりにも茶色くしわしわだったので、どうしたのか聞いてみたことがあります。
子どもの教室はちょうど、給食室の換気口に近い部屋で、しかも席が窓際だったそうです。
夏場、揚げ物のメニューの日でした。
窓を全開にしているので、匂いとともに、油分も飛んできます。
その日、新しく買ったノートがテカテカになって、油の匂いもついて、まるで中華料理屋のメニューのようになってしまっていました。
そのせいか、席替えで窓際の席を離れるまでの期間、ノートを家で開いているのを見かけた覚えがありません…
これはいけない!と思い担任の先生へすぐに相談し、午前中は窓の開け具合を調整したり対策をしていただきました。
体験談③ ノートよりスマホの時代
もう一つ、私が会社で経験した話です。
会議の後、上司が書いたホワイトボードの文字を、私が一生懸命メモに取っている最中でした。
その横で、後輩がスマホでカシャと画像を撮っていました。
そこで私は気づいたのです。
「そうか、ただ記録を残すだけであれば、わざわざ忙しい時間をぬって手書きで写さなくたって、写真で良いんだ!」
大人になってみると、ただの記録としてノートを取ること自体はそれほど重要ではないなと最近思います。
今はまだ紙のノートをとる事が主流ですが、時間と労力、目的を考えると、デジタルのメリットも大きいですね。
もちろん、まずはきちんと情報を整理整頓してノートに取るというのを身につけてからの話にはなりますが、時代の変化によってノートの役わり自体も変わっていくのかもしれません。
ちなみに、デジタルペーパーというものをノート代わりに使用している大学もあります。
引用:大学教育での活用事例も紹介 紙を超える可能性を備えたデジタルペーパー | My Sony Club | ソニー
まとめ
- ノートの役割は大きく分けて4つ、①反復練習 ②備忘録 ③情報整理保存 ④考えを深めること。
- ノートをとるメリット:頭の中を整理する練習になる。大人になっても活かせるスキル。
- ノートをとるデメリット:ノートを書く事が目的になってしまうとダメ。あくまでも授業内容をより理解するためのもの。几帳面すぎる人はとくに注意。
- ノートの表紙に、使い始めた日付、何冊目のノートなのか等、必要な事を記入する
- 中身の書き方は
①書きやすい字の大きさで余白を残して使う
②勉強した教科書のページを書く
③図・矢印・囲いで目立たせる
④なるべく消しゴムを使わない(計算、漢字がまちがったところは消さずに記録として残す)
⑤プリント用紙はノートに貼る
⑥先生が大事、重要と言ったものを聴いて書く
ノートを取ることは、情報を整理する練習になります。
ただし、きれいなノートがとれる人になることは、目的にしないでください。
几帳面でノートをとる事が遅い子どもになったり、ノートに集中しすぎて授業の内容を聞かない可能性が出てきます。
また、ノート以外にも、今後は、パソコン、スマートフォンを使用して、画像保存、デジタルで資料作成、提出することも多いです。
実際に、タブレットを使用した通信教材は人気です。
どれにしても、勉強でわからないことがあれば、ノートを見返して解決できる、自分で管理した情報を見返す事は大切なことです。
それによって、学力が上がる事も期待できますね。
小学生高学年になりますと、早い方でしたら中学受験を考える方もいるかもしれません。
そして、ノートを上手くまとめれてない、と言う方はこの方法を参考にしていただけたらと思います。
さらに、「勉強が今いちでこのままでは志望している中学校に合格できない・・・」と思われている方はこちらの記事を参考にしてください。
この記事を書いている10月現在で小学校5年生でしたら十分間に合います。
小学校6年生でも相当頑張れば何とかできるレベルです。
小学校6年生の初め頃には点数すら書かれなかった少年が家庭教師での勉強を元に、その地区で一番の難関校に合格した話になります。
なお、中学受験でも十分対応可能な話になります。
教科書に書かれていることを丸写ししておりませんか?
私は小学校高学年くらいまではノートの取り方を知らなくて教科書丸写しでした。
これではダメですね。
そこで、職場の先輩が自身の経験を元にお子様にノートの効率的な取り方を教えて上手く取れるようになった方法を教えてくれましたので、紹介します。
この方法は小学生の頃に教えて欲しかった・・・。