子どもが小学生になると、親が家庭で宿題をみてあげなくてはいけなくなりますよね。
人というのは勝手な生き物なので、親として教える立場になってしまうと、自分が子どもだった頃のことは忘れがちです。
- 自分が教えてもらう時にどうして欲しかったのか
- 自分が教えてもらう時に何をされて嫌だったのか
- 子どもの頃「なんで怒るの?」と思ったことはなかったか
このことを一回考えていただきたいのです。
誰もが一度は親に対して「わからないだけなのに、なんで怒るの?」という疑問を持ったことがあるはずです。
今や避けることのできない「家庭で子どもに勉強を教えるコツ」について今回はみていきましょう
目次
禁句その①勉強しなさい!
冒頭でお伝えした通り、自分が子どもの頃のことをまずは頭において欲しいのです。でもそうお伝えすると返ってくる答えとして多いのが
「自分のようになってほしくない」
ということです。
「自分は勉強ができなかったから、子どもにはそうなってほしくない」とか
「子どもは言わなきゃやらない。自分がそうだったから子どもにはしっかりと勉強をして欲しい」
といった答えが返ってきます。
でも、ここに答えが集約されているんです。
なんで子どもは勉強を言わなきゃやらないんでしょうか?
言わなくても、スマホの使い方やゲームのやり方は一瞬で覚えますよね?
ということは、子どもは頭を使うことは嫌いじゃないんです。
「必要がない」または「楽しくない」からやらないんです。
ガミガミ子どもに勉強しなさい!と言ったところで、子どもからすれば
「何をどうすればいいの?」や「何のためにやるの?」
となってしまいます。
そして、そのガミガミが続いていくと「勉強=親に怒られるから嫌い」となってしまう恐れがあるんです。
「勉強」ってなに?
そもそも親がよくいう勉強ってなんなんでしょうね?
どれのことを指して勉強と言っているのでしょうか?
国語?算数?または予習でしょうか復習でしょうか?
私も子どもの頃、「勉強って何すればいいの?」って聞いた時に「なんでもいいから勉強しなさい」と言われて困った経験があります。
ここで、あなたが新人さんにお仕事を教える時のことを思い出してください。
仕事を教える時に漠然と「仕事しなさい!」なんて教える上司はいませんし、あなたもきっとそんな言い方はしないと思うんです。
だって、「仕事」ってどれのことですか?って話じゃないですか。
私が上司に仕事しろ!って言われたら「この人無能だな」と思うと思います。
「今、手が空いているなら僕の仕事を手伝って欲しいからやり方教えていい?」
が正解だと思うんですよね。
子どもに勉強を教えるのも同じなんですよね。
子どもは勉強がわからなくて当たり前です。
今まで幼稚園などで遊びの一環としてひらがなやカタカナそして簡単な算数を学んでいたのに、たった1年経つだけで遊びではなく本気モードでガミガミ言われたら心折れますよね。
なので、子どもに宿題をさせるのであれば、まずは宿題がどれだけ出ているのかを確認してください。
そして、ママが隣に座って一緒にやってあげてください。
禁句その②何でわからないの?!
「何でこんなこともわからないの?!」
「ちゃんと授業きいてたの?!」
「何でそんなにバカなの?」
ヒステリーなママさんが言いがちなことですが、これ禁句中の禁句なのです。
言われなくても、このセリフが子どもの自尊心を傷つけていることぐらいはわかりますよね?
勉強がわからなくて、嬉しい子どもはいませんし、一番悔しい思いをしているのは子ども自身なのです。
仕事でもそうだと思うのですが、最初の頃「わからないところがわからない」ことってありませんでしたか?
わからないところがわからないので、当然質問もできないですよね。
そんな時、ママに「わからないなら聞けばいいじゃん!」と怒られたら泣きたくなるぐらいショックだと思うんです。
なので、わからないところを責めるのではなく聞いてあげてください。
一緒にみていたら、宿題の手が止まるのでわからないことはわかるじゃないですか。そこで怒らず優しく聞いてあげてください。
一つ一つ誘導するように聞いてあげると、つまづいているところがわかるので、丁寧に教えてあげてください。
禁句その③他の子と比べないで!
「隣の○君は成績がいいのに」とか
「お兄ちゃんはもっとできたのに」とかと言ってしまうと、子どもはすごく傷つきます。
子どもなりに一生懸命頑張っているんです。
大人になると、結果の出ない努力はしていないのも同じと言われてしまいますが、子どもの頃は違います。
サボって一番を取れてしまう子よりも、一生懸命やってできなかった子を褒めてあげるべきなんです。
「頑張れば認めてもらえる」
このことをしっかりと子どもに教えることが大事なので、結果は二の次なんです。
「100点取れなきゃ頑張ったなんて言わないで!」
こんなことをもし子どもに言っているなら、いますぐやめてください。
「完璧じゃなきゃ認めてもらえないんだ…」
「完璧にできない僕はダメな子なんだ…」
「ダメな子だからママは褒めてくれないんだ…」
こんな風に自分を責める事を子どもの習慣にしてしまうと、自己肯定感の低い子になってしまったり完璧主義になってしまったりと後々困ったことになってしまいます。
「大きな声だしてないから私は大丈夫ね」
いやいや、静かに他の子と比べて子どもをバカにしている時点で同じです。
子どもにとってはガミガミ怒られるのと同じぐらい静かに嫌味を言われるのも傷つくのです。
完璧主義がダメな理由
完璧主義は諸悪の根源です。
人間完璧にできる人なんて誰もいませんよ。
自分自身に置き換えたらわかると思いますが、自身小学生の頃勉強でいつも100点満点取っていましたか?
そして、それ以外のことも全て皆んなよりもできていましたか?
多分そう言う方はいないと思います。
さらに、完璧主義だと、自分自身に逃げ道がない状態です。
うつ病や育児ノイローゼになりやすいのも、この完璧主義の人だと言われています。
「まぁいいか。なるようになるって!」
こんな風にお気軽に物事を考えられる柔軟性というのは非常に大事なのです。
子どもの頃から「完璧を目指しなさい!」と育ててしまうと心に逃げ場がなくなってしまい、最悪の結果を招いてしまうリスクも少なくないので、結果が伴わなくても子どもの努力が見れるなら、ためらわずに褒めてあげましょう。
禁句その④詰め込まないで!
1日のうちにあれもこれもそれも!と子どもに詰め込み教育をしていませんか?
子どもにとって勉強ももちろん大事です。
でも、それ以上に低学年のうちは遊びから学ぶこともたくさんあるので、いかに子どもの「知りたい」という好奇心を刺激して無理なくお勉強をさせてあげるかが大事になっていきます。
疲れた様子の子どもに無理やり「もっとできるでしょ!もっとやらなきゃ!」と詰め込むのは、子どもが勉強嫌いになってしまう原因なので注意しましょう。
そして、詰め込みママにありがちなのが子どもに合わない詰め込みスケジュールを優先するあまり、それをできない子どもを怒ってしまうこと。
これはもう最悪ですよ。
子どもにとっては大好きなママに怒られるだけでも辛いのに、無茶なスケジュールをこなせなかったダメな自分を押し付けられるわけですから。
子どもはどのペースで勉強すればいいのかわからないので、親がスケジュールを立ててあげることは大事です。
でもそれは子どもの出来るペースを見て、無理のないスケジュールを組んであげましょう。
でも、小学校低学年のうちは宿題をするだけで十分だと私は思います。
親の行いも大事ですよ。
子どもに勉強しなさい!と口うるさく言っているのに、親はスマホやテレビをみて遊んでいませんか?
「大人はいいのよ」
なんてセリフは絶対に子どもに言わないでくださいね。
子どもに宿題しなさいというのであれば、ベストは一緒に横で宿題に付き合ってあげることですが、それが苦痛だというのであれば、せめて本を読むなどの「いつもの娯楽とは違う時間」を取るようにしてください。
そして「うちの子はどういう言い方をすれば宿題をする気になってくれるのか」を観察してみてください。
禁句その⑤教えすぎないで!
早く子どもの宿題を終わらせたいとか良かれと思ってとか色々あると思いますが「教えすぎて」いませんか?
子どもから聞かれる前に、少し考えた時点で「ここはこうなのよ」と教えるのは絶対にNGです。
これをしてしまうと、それは子どもに勉強を教えているのではなく、答えを教えているだけなので、子どもの考える力が身につきません。
あくまで親は「わからない」と聞かれた場所を教えてあげることと、子どもと一緒に考えて考え方のヒントを出してあげて、「気づかせてあげる」ことが大事なのです。
教えすぎているママに多いのが「自分のやりたいことがあるから子どもの宿題を早く終わらせたい」というもの。
もう最悪ですよね。子どもがちゃんと宿題を出来るかどうかよりも、自分の楽しみ優先でいいわけがないです。
自分のことはとりあえず忘れて、子どものペースでしっかりと考えさせてあげてください。
自分はどうだったかを思い出してみて
これは、私が会社で新人教育に関する愚痴を言ってくる人に必ずいうことなんですが、
私「自分が23歳の時、どうだった?」
会社のAさん「でも、私1年目でももっとできましたよ?!」
私「いや…あなたの1年目って30歳でしょ?23歳の時どうだったの?」
Aさん「え?…そんなできてなかったと思います。でもこの会社で1年目の時は…!」
私「そりゃ社会人経験を積んで、30歳で入ってきたんだから1年目でできて当たり前でしょ。新人さんに教える時は、自分がその新人さんと同じ年齢の時、どうだったかを考えてあげないとダメだよ。」
この考え方を出来るようになったのは30歳をすぎてからなんですが、教える相手が年下の場合「自分がその子と同じ年齢の時どうだったのか」を考えてから言ってあげるべきなんです。
子どもでも同じです。自分が小学生の頃どうだったかな?をまず考えてみてください。
- 親にガミガミ言われて嫌じゃなかったですか?
- 勉強しなさいと言われて勉強しましたか?
- 自分がしなかったことをなぜ子どもはするとおもうのですか?
子どもに理想を押し付けるのは、親のエゴ以外の何者でもありません。
もし子ども時代に「親にうるさく怒られて勉強が嫌いになった」経験を持っているなら、子どもに勉強を教える上で怒ることがいかにダメなことかは、あなたが一番身にしみてわかっているはずです。
まとめ
- 子どもに勉強しなさいは禁句
- 絶対に怒らない
- 他の子と比べない
- バカにしない
- 自分がどうだったかを振り返ってみる
子ども時代を経験していない親は一人もいません。
幼児期のことは覚えていなくても、小学校に入ったぐらいのことは覚えていることも多いですよね。
自分が子どもの頃嫌だと感じた事は、今の子どももきっと嫌なはずです。
勉強を教えているときに、怒る理由はなんですか?
子どもに勉強をして欲しいからですか?できないことにイライラするからですか?
子どもはできなくて当たり前なので、怒らずにもっと優しく長い目で見てあげてくださいね。
早い方でしたら、この段階でプロに任せっきりにする方もいますが、小学校低学年の段階ではあまりオススメしません。
まだこの頃は遊びや日々の生活から学ぶことが多いです。
その日々の生活の中にプラスして勉強の要素を取り込むことが子どもに取って一番成長する証になりますよ。
私が臨時職員で働いていた公的機関の所にいた先輩女性職員の例を加えて話します。