スマホを持つと、たくさんの便利な機能が使えます。
特に、SNSやゲームアプリにはまる学生は多いです。
自分の一言や写真が世界中の大勢の人に広がったり、暇な時間をゲームに当ててストレスを発散できたりします。
ですが、スマホを持つことで生じる危険もあります。
SNS上でのいじめやスマホ依存症です。
いじめによるストレスや、スマホが手放せなくなって不登校になってしまっては大変です。
スマホを持つことで得られるメリットと危険性について掘り下げてみました。
目次
スマホを持つメリットとは?
お子さんにスマホを持たせて良いのかと悩む方も多いと思います。
まずは、お子さんがスマホを持つことによって得られるメリットを紹介します。
居場所を特定できる
スマホにはGPS機能があり、この機能を使うことで道に迷っても自分の現在位置を確認することができます。
カーナビも使われているのもこの機能ですね。
自分の位置情報を取得するだけでなく、GPSを使って子どもの居場所を検索して、自分のスマホから確かめることができます。
「今、子どもがどこにいるんだろう。」「帰りが遅いけど、何してるんだろう。」
という不安を解消してくれます。
すぐに連絡が取れる
中学生と言っても、塾や部活で帰りが遅くなる生徒が多いです。
「車で迎えに行ってやりたいけど、はっきりした時間が分からない。」
「いつも通りの時間に迎えに行ったら、30分も待ってしまった。」
と、困った経験はありませんか。
そういう時、子どもにスマホを持たせておけば、
「今から〇〇分後に迎えに来て。」
というメッセージを受け取ることが出来て、親も子どもも待つことなく待ち合わせることができます。
家族の仲がより親しくなる
スマホを持つと必ずと言って良い程利用するものといえば、SNSです。
SNSでは日常にある出来事を写真で載せたり、何気ない一言をシェアしたりして、周囲からの反応やコメントを楽しみます。
特に、家族間だけでの会話のやりとりが可能なアプリは、ほとんどの方が利用されているのではないでしょうか。
普段の会話よりも気軽に、そしてグループでの会話や通話が可能なので便利です。
キャラクターをあしらった面白いスタンプも、会話に彩りを添えてくれます。
そのおかげで、家族間の雰囲気が良くなり、やりとりが増えることが期待されます。
友達との会話がはずむ
今の時代、様々な情報を得る手段はテレビからSNSへと移っているようです。
テレビなどの情報だけでは、SNS上で話題のものは把握できないかもしれません。
また、先ほど挙げたグループチャットの出来るアプリを使って、子どもたちが帰宅後も友達とチャットをする光景も増えてきています。
そんな中、周りの子どもはみんなスマホを持っているのに、もし自分の子どもだけ持っていなかったらどうなるでしょう。
学校で会った時、友達の会話についていけるでしょうか。
逆に言うと、スマホを持っていることで友達と共通の話題があって、おしゃべりも盛り上がることもあります。
スマホにひそむ危険
スマホにはメリットがある一方で、スマホが原因で起こる問題もあります。
SNSによるいじめ
SNSでは、自分の日々の出来事をネット上に上げることで日常を周りにアピールし、周囲からの反応を受けたりします。
また、自分も周りの人の日常に反応やコメントをすることで、本来はたくさんの人との交流をネット上で楽しむためのものです。
しかし、それを悪用していじめの手段として使われることもあります。
匿名での投稿も可能であるため、ありとあらゆる悪口が書き込まれていきます。
嘘の情報も遠慮なく書かれます。
SNSによるいじめの最大の特徴は、時と場所を問わないということです。
そのため、学校にいなくてもいじめにあうのです。
休日であっても家にいても、苦しめられるのです。
文部科学省によると、昨年度に認知されたいじめの内、「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」いじめは12,632件でした。
これは、平成28年度の10,779件から、約2,000件増加しています。
それだけ多くの子どもたちが傷つき、苦しんでいるのです。
そして、その数は増える一方です。
SNSの悪用によって学校に行きづらくなり、不登校になってしまう例も少なくありません。
スマホ依存症
スマホ依存症になると、何よりもまずスマホの利用を最優先し、スマホを利用する時間を自分で制御できなくなります。
そのため、健康面や生活のリズムが狂ってしまうことが、最大の問題です。
ネット依存に陥ってしまった中学生のAさんとBくんの例をみてみましょう。
中学生になって、部活で帰りが遅くなるからと、両親にスマホを買ってもらいました。
一年生の春、小学生の頃の友達とは違うクラスになってしまいました。
なかなかクラスになじめない中、SNSを使い始めました。
SNSでは自分の思っていることを何でも言えたり、それを見た人がコメントをくれたりしました。
それがとても嬉しくて、
「もっとコメントが欲しい。」
「もっとたくさんの人に自分の気持ちを知らせたい。」
という思いから、事あるごとにスマホでSNSを使うようになりました。
寝る前には必ずスマホでSNSに投稿したり、他の人の投稿をチェックしたりしました。
すると、なかなか夜に寝付けなくなって、夜更かしするようになりました。
朝は起きたら一番にスマホを取って、コメントが来てないか見ました。
おかげで、あまりぐっすり眠れない日々が続きました。
睡眠不足から体調もすぐれず、学校を休みがちになってしまいました。
一日に何度も投稿したり、コメントが来たら急いで返信したりする毎日で、スマホを手放すことはできません。
僕は学校に行くのが、そこまで嫌ではありませんでした。
しかし、学校に何日も行かず、家に閉じこもるようになりました。
それは初め、風邪をひいてしまったことが原因でした。
なかなか熱が下がらず、学校を休む日が続きました。
やることがなくて暇だったので、自分のスマホでゲームをやっていました。
そのゲームが異様に面白くてどんどんはまってしまい、一日中ゲームをし続けました。
夜寝る時間になってもやめられず、ゲームで一夜を明かすこともありました。
ついには、昼間は寝て夜に起きてゲームをするという不規則な生活になりました。
もちろん、学校にも行けずに、僕は不登校になってしまいました。
「ちゃんと規則正しい生活をしないといけないのに、こんなことをしていてはだめだ。」
「学校にも行けない僕は、将来どうなってしまうんだろう。」
と、ふいに思っては自分を責めたり、不安が押しよせてきました。
でも、ゲームをすればその気持ちも和らぎました。
いつかはやめなければならないと頭では分かっていても、どうしてもやめられません。
二人の共通点は何でしょうか。
Aさんは、なかなかクラスのみんなと仲良くなれないという不満がありました。
Bくん自身も、不登校になってしまったという悩みがあったようです。
二人にとって、スマホの世界が現実からの避難場所となっていたのです。
スマホが、うまくいかない現実を忘れることのできる場所になりました。
Bくんの場合、ゲーム自体が依存性の高いものですから、増々やめられなくなっていったのでしょう。
このような悪循環から抜け出せる方法はあるのでしょうか。
スマホの問題の対処方法
SNSいじめへの対処
SNSによるいじめは、なかなか発見することが難しいでしょう。
そこで、日ごろから子どもの様子を伺い、いつもと違うと気付けばそれとなく尋ねてみると良いでしょう。
いじめが深刻化する前に、早く発見できる可能性があります。
また、総務省によると、SNSによるいじめやネット上での書き込みについて、ふさわしくない書き込みがあれば、その書き込みの削除を要求することができるそうです。
ネットいじめを含むインターネット上の不適切な書き込みのうち、権利侵害に該当するものについて、被害者は、プロバイダに対し、権利侵害情報の削除を依頼することができるほか、損害賠償請求を行うために必要がある場合には、権利侵害情報の発信者(掲示板等に書き込んだ者)の情報の開示を請求することが可能となっている。
また、総務省が運営している違法・有害情報相談センターでは、SNSやネットによるいじめの相談を受け付けています。
SNSで悪口が書かれていると分かれば、事態が悪化する前に相談してみてはいかがでしょうか。
SNS依存への対処
スマホに依存すると、大抵の場合部屋に閉じこもりがちになり、コミュニケーションの機会が失われます。
「どうやって人と話したらいいのか分からない。」
「あまり人と話したくない。」
というようなコミュニケーション力不足になる可能性があります。
ですが、SNSは相手とのコミュニケーションも必要になってきます。
なので、完全に断ち切らせるのではなく、会話の手段としてある程度利用し続けても良いと考えます。
さすがに夜遅くまでSNSに没頭して、翌日学校に行けなくなるというのは使い過ぎですね。
そうならないために、利用時間を目に見える形にすると、どれだけスマホを使っているかが分かりやすいです。
数字で〇時間と書かせても良いですが、一日の行動を円グラフにすると、一日をどれくらいスマホに費やしたかがより明白になります。
何度も親が教えるより、一度自分で使い過ぎたと気付くことの方が子どもは動いてくれるはずです。
そして、自制の心が成長してくれると良いですね。
スマホゲーム依存への対処
まず、最もしてはいけないことは、子どもに対して
「いつまでゲームやってるの。」
「学校にも行かないで、この先どうやっていくの。」
というような言葉を投げかけることです。
確かに、親心から子どもの心配をしてしまって、そのように言いたくなりますよね。
しかし、それでは逆効果になってしまいます。
子どもにとって、それらの言葉は罪悪感と不安感を増してしまうことがあるからです。
なのでその代わりに、子どもがどんな思いでいるのかを聞いてみると良いでしょう。
「ゲームやっていて楽しい?」
「学校に行ってないこと、どう思ってる?」
というような質問をして今の気持ちを言葉に表させてみると、子どもも自分の置かれている状況を頭で整理できます。
悩みを共有することで安心感も生まれるでしょう。
さらに、ゲーム以外で夢中になれるものを探してみると良いでしょう。
スポーツや習い事を勧め、ゲーム以外の場で子どもが活躍できる場を作り、自信を持たせてあげましょう。
「すごいね。どんどん上手くなってるよ。」
とほめることで、子どももゲーム以外で嬉しさと楽しさを感じる機会を得ます。
それを繰り返すことで、徐々にゲームから離れていってくれることでしょう。
ゲーム以外にやりたいこと、将来の夢をちゃんと持っている子どもは、依存症にはなりづらいと言われています。
ゲームの他に何か没頭できるものを見つけ、依存症から解放されると良いですね。
フィルタリングの活用
お子さんのスマホ利用状況をすべて把握するのは、極めて困難です。
SNSでどんな会話をしていて、どんなゲームをしているのかというのは、なかなか見えてきません。
そこで活用できるのが、フィルタリング機能です。
フィルタリング機能を利用すれば、過度な表現を含む悪質なウェブサイトやアプリは利用できなくなります。
そのようなサイトを見たりアプリをインストールしたりしようとしても、シャットアウトしてくれるのです。
知らないうちに、お子さんが有害なサイトやアプリに影響されるのを防ぐことができます。
2018年2月、「青少年インターネット環境整備法」が改正され、18歳未満の子どもには、スマホや携帯機器にフィルタリングのアプリやソフトを入れることが義務化されました。
その為、法改正後にスマホを購入した場合、すでにフィルタリングがなされていると思われます。
もし法改正前からずっと同じスマホを使い続けているという方は、フィルタリングのアプリをインストールする必要があります。
無料のフィルタリングアプリもあるようですので、アプリストアから探してみても良いでしょう。
もしくは、携帯電話会社に行って、フィルタリングサービスについて聞いてみるのも手です。
目の届かないスマホの世界もフィルタリングで安全になれば、親も安心ですね。
まとめ
①スマホを持つメリット
- 居場所を特定できる
- すぐに連絡が取れる
- 家族の仲がより親しくなる
- 友達との会話がはずむ
②スマホを持つことで起こり得る問題
- SNSによるいじめ
- SNS依存症
- スマホゲーム依存症
③その問題の対処方法
- 子どもの様子が普段と違えばどうしたのか聞く
- SNS上のふさわしくない書き込みは削除を要求する
- 一日の活動を円グラフにして、子どもにスマホ利用時間を確認させる
- 子どもが今どんな気持ちでいるか聞く
- スマホ以外で夢中になれるものを探す
- フィルタリングを活用する
確かに、スマホを持つことで便利なことはいくつもあります。
中学生になって、「スマホを持つ」という選択は間違いではありません。
ですが、いじめの手段や依存症のきっかけになるという危険性も持ち合わせています。
そこで、フィルターかけて通信制限を設けるといった対応も必要になってくると思われます。
親子とも、安心で楽しみながらスマホを使いこなしたいですね。
中学生はとにかく多感な時期になりますよね。
中には「友達から仲間外しにされている。」と考え込むこともあるかもしれません。
さらに反抗期とも重なりますので、周りの大人や学校の先生と対立することもあります。
対立のあまり
「もう学校には行かない!」
とそれ以降学校行かなくなる人も中にはいるかもしれません。
しかし、学校行かなくて不登校になっても勉強さえできてたら今の時代高校には行けますよ。
昔と比べまして不登校の生徒に対する配慮はかなり進んでおりますので、定期テストの時に登校して成績が良ければ高校へは行けます。
この記事では初めは些細なことで担任との対立が始まり、反抗期の抵抗として不登校になった女子生徒が、家庭教師によって学力を復活させて高校合格した話になります。
不登校になっても成績さえ良ければ高校には行けます。
この記事を読んでいただき、沙耶みたいに立ち直ってくださいね。
中学生からスマホを持つお子さんも増えてきています。
親とすぐに連絡が取れたり、学校の後も友達と会話できて便利ですよね。
しかし、そこで不安になってくるのがSNS上でのいじめやスマホ依存症です。
それがきっかけで不登校になってしまうケースもあります。
今回は、その対処方法についてご紹介します。