勉強のできない小学生から家庭教師をつけたことにより高校入試を無事乗り越え、地区では一番の難関校へ進学した陽介。
高校受験とは比べ物にならない大学受験、それも難関と言われた大学へ合格する道は高校受験以上に険しいものだった。
これは、その険しい道にぶつかりながらも努力を重ね、難関大学への合格を手にした記録になります。高校生あるあるの青春の1Pも交えてます(笑)
高校生になりますと、家庭学習よりかは外で勉強し、家はゆっくり休む場所にした方が子どもにとっても利点があります。
学校でも塾でも家でも勉強漬けになると、いつかバテます。
そうならないためにも、家くらいはゆっくり休めれるスペースにしてあげてください。
その代わり、学校や塾ではしっかり勉強するようにしていけば必ずや難関大学も合格できます。
さらに、できれば、学校<塾にした方が子どもも集中しやすいです。
個別指導塾スタンダードは最大で生徒2人に対し、講師が1人つきますので、きめ細やかな指導を行うことができます。
さらに、自習室付きの塾なので空き時間には集中して自習ができます。
学校は色んな生徒がいて、中には真面目に勉強しない生徒も地区有数の進学校であってもおります。
そういう生徒に流されてしまうと当初の計画から大きく外れる可能性があります。
ただでさえ誘惑に弱い高校生です。流されてしまっては本末転倒です。
それを防止する目的でもあるため、学校は程ほどにして、塾でしっかり勉強させる方が良い方法でもありますよ。
その地区難関校に入学
その地区では一番の難関校に合格し、入学式を向かえる。
入学してからどのように高校生活を送るか、この時は期待で頭がいっぱいになっていた。高校生と言えば青春真っ盛り。
そして、中学時代よりも経験することが増え、一番思い出に残ることも多い時期である。
皆さんも学生時代の記憶を思い出したら高校時代の記憶が色濃く残っていると思います。
話を戻して、案内された教室へ入る陽介。
入試の成績順にクラスが分けられている高校であり、その時の成績が良かったおかげで、学年の中でもトップクラスの成績の生徒が集まるクラスへ入る。
陽介の出身中学からこのトップクラスの成績のクラスへ入れたのは陽介ただ1人である。
さらに、成績順に席が決められており、陽介は1クラス40人中最下位に近い成績だった。
そう思う陽介であった。
部活動選び
高校に入学して2週間ほどはオリエンテーションという感じで授業以外のことが中心となり、この間に色々高校のことについて学ぶ。
そこで、高校入って知ったこととして
(この高校では部活動に入らないといけない)
と言うことである。
陽介の通った中学校は部活動を行うのも自由であり、運動が苦手だった陽介は迷わず(部活動をしない)という選択肢を取った。
しかし、ここではそれが通用しない。
正直今まで勉強ばかりで来ていた陽介に部活動は考えもしない出来事であった。
オリエンテーションの中で一通りの部活動の説明を受けた後、1週間は部活動を選ぶ期間で猶予をくれる。
その猶予期間の内に部活動を決めないといけない。
と言っても陽介はほぼ一通りの説明を受けた時に決めていた。
陽介は根っからの運動音痴のため、運動部は避ける。
そして、文科系の中でも興味を持った軽音部を見てみる。
決めた理由はものすごく単純で、一通りの部活動紹介を見ていて一番緩い感じがした部活だったのと、何か特技があればこの先大学行ってからアピールポイントになるかな?と感じたためだ。
部室に入ると、古びた空き教室の傍らに機材一式が置かれていた。
傍らにあった楽器に手を伸ばす。
弾き方がわからなかったが、とりあえず適当に弾いてみた。音が出ない。
と言って声がしたほうへ目を向ける。そこには青年が1人いた。
落ち着いた声で聞かれた。
クラス章を見る、普通クラスだが学年は同じだった。
と笑いながら話していたら教室のドアが開く。
そこに入ってきたのは男性1名、女性1名。
クラス章を見るとどちらも同じ学年の生徒であった。
優典は女性の方を向き
と女性に聞く。
と言って優典は陽介を見た。
そんな会話をしていると顧問が入ってきた。
顧問はそういうと入部用紙を一人ずつ渡していく。
優典と辰也はすぐさま入部用紙を渡した。
朋子も少し悩んだが、入部用紙に記載し渡す。
陽介も入部用紙に記載し顧問に渡す。
そういうと顧問は入部用紙をもって出ていった。
一同「よろしく」
と言って皆この日は部室を後にした。
部活を決めた帰り道
部活動を決めた帰り道、陽介は学校周辺を散策しながら帰る。
高校になり、陽介は電車通学に変わっていた。
家から最寄り駅までが自転車で10分程度。
家の最寄り駅から学校の最寄り駅までが普通で約50分(快速で行けば25分)
そして学校の最寄り駅から学校までが徒歩10分なので、最速で45分くらいかかり、時間がかかるパターンでも1時間10分ほどで行ける距離である。
陽介が中学2年生の頃に、父親が携帯電話を買ってくれていたが、高校入試が終わるまでさほど使う機会がなかった。
そして、それと同時にネットも急速に普及し、陽介が高校へ行く頃になってからは携帯からでも動画が見れるような時代に変わっていた。
動画をダウンロードしたり、再生することもできるようになり、通学の電車の中で携帯から動画を見ている生徒がいる。
陽介も通学時間がかなりできたので、その時間を有効活用しようと考えていた。
と考えていたが、この時は答えが出なかった。
そういう事を考えている内に最寄り駅につく。最寄り駅に入ろうとしてふと目をやると個別指導塾の看板が目に留まった。
陽介は小学校時代に嫌な経験をしていたため、塾に行くのはあまり乗り気でなかった。
ただ、この時はなぜか惹かれるものがあった。
後から思うと、これは個別指導という所に惹かれたのかもしれない。
この時には父親も勉強に対してさほど言わなくなり、陽介のすることに任せている状況だった。
そして、高校に入ったら家で勉強をするものかまわないが、できるなら外で勉強をするようにとも言われていた。
と言われる。
学校周辺の方が圧倒的に種類が多いからという意見で。
実際それは通学路を見てもわかっていた事であった。
話を戻して、個別指導塾の前で看板をじっと見ていたが、看板の前に資料が封筒の中に入っていた。
とりあえずは持って帰ることにした。
行くかどうかの最終判断は父親がするので、とりあえず資料だけでも渡しておけばいいかと思ったのもある。
資料の横に難関大学の合格一覧や体験談がA4裏表で書かれていたのもあったため、それも持って帰ることにした。
帰りは気分転換に快速で帰ってみる。
快速は普段乗っている普通より早いが始発や終着駅でないためとにかく人が多い。そして座れない。
と思いながらも帰路につく陽介であった。
家に着くと、父親がいた。
この時には部署移動で忙しい部署からは退き、基本夕方には帰ってくることが多くなっていた。一時の単身赴任の時と比べると大きな違いである。
陽介は最寄り駅の近くにあった個別指導塾の資料を親父に渡す。
父親も小学生時代の事を知っていたため、まさか陽介が塾の資料を持ってくるとは思っていなかった。
そういうと父親は部屋に行ってしまった。
と言って陽介も部屋に行く。
中学の時の習慣で家に帰っても一定の時間は勉強机に向かう習慣があったが、できれば陽介は「家ではゆっくりしたいな・・」と考えることが多くなった。
と言いながら復習をする。
この日は色々あったため2時間くらいして終了とした。
資料を渡した塾へ
次の日、さっそく親父から返答が来た。
昨日今日で調べたのもすごいが相変わらず行動力のある親父だと思う陽介であった。
その塾への申込書はその日の帰りに塾側へ手渡し、手続きを終えた。
と言うことでこの個別指導塾に通うことにした。
楽しい部活動と微妙な教室の空気
高校生活も数か月が過ぎ、季節は夏に向かい始める。
そろそろ通った高校での最初の定期テストが近づいてきた。
それに合わせて陽介も部活終了後個別指導塾に行って勉強し、その後は自習を行って帰っている。
連日帰るのは平日夜遅くになる日々が続いていた。
そんな状態で受けた夏の定期試験。
結果は・・クラス分けの時と変わらない。
クラス内では最下位から2番目の成績。
陽介にとってはこの位置が定位置になりつつあった。
と思いながら部活へ向かう。
部室に入ると、そこには頭を抱える辰也がいた。
と言われて辰也のテストを見てみる。数学が30点。
と言われて辰也のテストを再度見てみると、陽介が解ける問題が辰也にはできていなかったようだ。
と言うことで陽介による辰也への補講が始まった。
一部陽介が解けてなかった問題もあったが、それも復習したすぐなので、辰也に教えることができた。
1時間くらいして、ほかのメンバーが入ってきた。
優典の一言で練習が始まった。
この頃には陽介もそれなりにベースが弾けるようになっていた。
小一時間練習して休憩に入る。
一同「文化祭?」
高校の文化祭は毎年9月に行われる。
その時に演奏するとしても2ヶ月はある。
※セトリ→別名セットリスト。
音楽バンドがライブやコンサートを行うときの曲順や選曲の事を指す。
セットリストを省略してセトリと言う人も中にはいる。
と言って辰也が一時退出した。
数分後・・・
朋子、陽介「うん」
メンバーの息があった瞬間でもあった。
そして、この頃から陽介は朋子に淡い恋心を抱いていた。
そして朋子も優典の指導の下上達する陽介に少しずつだが気を向けるようになっていた。
次の日は保護者への開放日。
B高校は年に数回保護者へ公開授業を行っている。
この時は授業は午前中で終わり、午後からは部活動の様子を見ることになっている。
子ども達の授業や部活を受けている様子を保護者にも見てもらい、学校の良さ?を教えるのが目的とか目的でないとか・・・。
平日の割に両親で来ている所が多かったのが印象的だった。
そして陽介の所も両親で来ていた。
母親は教室の中に入っていたが、父親は廊下から見ている感じだ。
途中ふと見ると陽介の両親ともいなかった。
どこか他の所を見に行ったんだろう。
陽介は自分のペースで授業を聞いていた。休憩時間になり陽介は眠たくなったから寝る。
最近の休み時間の過ごし方はこんな感じだ。
大体寝ていることが多い。
あまりにも教室が殺伐としており、高校生らしい会話がない。
休み時間と言っても勉強している生徒がいたり、寝ている生徒がいたり、話しかけても必要最小限の会話で終わったりすることが多かったから陽介もあまりクラス内で会話することがなくなっていた。
そして、午前の授業終了後、今度は部活動の見学だが、陽介のいる軽音部へ見学は誰も来なかった。
これはこれである意味良かったと思う陽介であった。
部活動終了後、塾へ行こうと思ったら父親からメールが来る。
その日は父親からのメールもあり、早めに帰ることにした。
そういうと父親は部屋に戻ってしまった。
その日は陽介も部屋に戻って寝ることにした。
夏休みに入り、一気に縮まる距離
月日は流れ、夏休みに入る。
夏休みに入ると学生は補習に来ている生徒か部活に来ている生徒しかいなくなる。
B高校は補習に関しては自由参加制度を敷いている。
なので、補習に来ている生徒はほとんどいない。
来ていたとしても指定校推薦狙いの生徒だけである。
難関クラスを見てみると誰も来ていない。
陽介は教室をそのまま過ぎ去った。
陽介が学校へ来たのは補修が理由でなかったからだ。
優典が夏休み前に「学祭で演奏する」と言ったのを機に、夏休みに部活動で練習を行うために来ていた。
午前中は朋子が起きれないので午後から2時間くらい練習を行うことになっていた。
夏休み期間中、陽介は部活がある時もない時も学校周辺には来ていた。
部活がある時は部活後塾へ行って勉強し帰宅、部活がない時はそのまま塾で勉強し帰宅していたためだ。
この時には家で勉強することはなく、家=休息する場所になっていた。
話を戻して、約束の時間にメンバー全員集まり、2時間ほど練習をおこなって解散する。
部活が終わり帰ろうとした時に辰也に話しかけれる。
辰也が持ってきたのは数学の問題集。
数分教えて終了する。
そういって辰也は帰っていった。
陽介は解散後個別指導塾へ行き自身の勉強をして帰路についた。
翌日
とりあえず安心した陽介であった。
数日後・・・
いつものように陽介は部活の練習のため部室に行く。
そこにはいつも時間を過ぎてくる朋子が先に来ていた。
そういうと陽介はベースのセッティングをして音合わせをする。
朋子もそれに合わせてマイクのスイッチを入れる。
陽介のベースラインに合わせて朋子が歌う。いつもは辰也のギターと優典のドラムがある音楽もベースラインだけだとやはりしょぼい。けどこれはこれでいい感じはした。
と言って陽介はベースをスタンドに置く。
と言って朋子はジャンプする。着地地点には風に舞ってとんだ※スコアが散乱している。
※スコア=楽譜のこと。
朋子がスコアに足を取られて滑る。
滑った朋子を救いに向かう陽介。
そのまま行くと頭からこけてた所を陽介が救いに行ったおかげでそれは回避できた。
気づくと、朋子を後ろから抱いて座り込むスタイルになっている。
すぐに陽介は朋子から離れた。
顔を赤らめた朋子であった。
そこへ優典と辰也が入ってくる。
辰也はなんか言いたくなさそうな感じだった。
一同「うん」
そんな感じでメンバーの夏休みは過ぎていった。
文化祭での演奏、そして甘い恋の始まり
高校1年の夏休みも終わり、周りは学園祭ムード一色になる。
このB高校は夏休み終了後すぐに学園祭を行う。
そして、数年前から一般に公開されるようになったので、B高校を目指す中学生とその保護者、懐かしさ目当ての卒業生など、いろいろな人が来るようになっている。
来週がいよいよ本番、中学校の時でも軽音部で経験を積んでいる優典と辰也は余裕の表情で本番に備えている。
それに対し、不安になっている陽介と朋子。こちらは来週の学園祭が初めての本番だからだ。
優典と辰也が笑う。これが熟練の余裕というものだろうか。
メンバー全員急いで片づけて解散する。
陽介は塾へと向かった。
学園祭直前でも塾には行って一定のペースで勉強をしていた。
学園祭本番
いよいよやってきた学園祭本番。
ステージ上ではそれぞれ思い思いの出し物をしていた。
陽介たちの順番まで少し時間がある。
直前になって朋子が緊張する。
陽介と朋子の目が合う。朋子の顔が一瞬赤らめたような感じがした。
一同「うん」
優典が言ったのと同時に順番が来たことを告げられる。
一同ステージに向かった。
ステージに上がる一同。
ステージに上がると、バンドを見にきた沢山の人でごった返していた。
朋子が緊張して声が出ない。
バンドの紹介とかは事前に打ち合わせをして朋子がするようになっていた。
ただ、緊張のあまりそれが飛んでしまったようだ。
代わりに陽介がバンドの紹介をする。
ひと通り説明が終わったら、優典のドラムが鳴り響く。
メンバーが一体になって演奏する。
事前に辰也に言われていたようにミスしても気にせずに演奏する。
最初は緊張していた朋子も練習していた時みたいに声が出るようになっていた。
メンバーのノリについて行くかのようにノッてくれる観客達。
最前列では飛び跳ねている人もいる。
途中※MCを挟みつつ全5曲を演奏し終了する。
※MC→この場合はライブなどで演奏者が観客に話をすることになる。
与えられた時間全て使い切ってステージを後にした。
一同「うん」
メンバー一同来年もステージに出ることを約束する。
そう言うと優典と辰也は先に帰っていった。
陽介と朋子で機材を部室へ運んで行く。
色々あったため時間がかかった。全て運び終えた時には学園祭も終了していた。
ふと部室から外を見ると、演奏していたステージを片付けている。
朋子は何も言わない。
学園祭の片付けをしながら告白をし、見事成功した陽介。
陽介と朋子は同じバンドメンバー内でカップルとなった。
学園祭後、陽介と朋子が付き合いだしたのはメンバーにも知られることとなったが、優典と辰也は特に何も言わなかった。
メンバー内恋愛について反対はしないみたいだ。
優典の言うことを半分聞いて半分受け流す陽介。
この後、優典の言ってた事が現実になろうとはこの時の陽介には想像もつかなかった。
順調だった恋に暗転が差し込む
季節は過ぎ、冬が近づく。
この頃になると陽介のいる難関クラスでは次年度のクラス分けテストに向けて勉強を必死にする生徒がちらほら出始める。
難関クラスと言ってもクラスの下10番にいる人は普通クラスに落ちる事がよくあるらしい。
何としても難関クラスに残りたい人は必死になって勉強をし出すのがこの冬の時期になる。
陽介も難関クラスだと最下位から2番目の成績だからクラス変えテストの時に普通クラスに落ちる可能性が高い。
そのため、その対策に特別に塾の自習室を使い勉強をしている。
部活のバンドもそれなりに活動していたが、クラス分けテストが近づくにつれ、どんどんと勉強の方にシフトして行った。
それに伴い、朋子に会う機会も段々と減って行った。
朋子とはメールを毎日していたが、高校生の恋愛だけあって2、3日会えない日があると寂しさが増すようだ。
塾で勉強してると朋子からメールが来る。
陽介が返信する。
翌日
授業が終わり部室に向かうと、朋子は先にいた。
高校生、それも勉強を主にしている人にとってはこれは究極の質問である。
恋人を取ったら勉強がおろそかになる。勉強を取ったら関係が終わる。
社会人なら、「仕事と家庭どっちが大事?」と同じと考えたらいいのかもしれない。
陽介はしばらく考える。考えても答えは出なかった。
と言って部室から出て行った朋子。
追いかけるが入って来た優典に遮られる。
優典の口調が厳しくなる。優典はドラムという立場上全体のことをよく見れている。
辰也もいつの間にか入ってきていた。
今度は優典が何も言わなくなる。
辰也に言われて時間を見る。知らない間に結構な時間が経っていた。
陽介は優典と辰也を残して塾へと向かった。
難関クラスから転落
失恋のショックを残したままクラス分けのテストを迎える。
正直陽介はまだ失恋のショックから立ち直れていなかった。
その中受けたテストだったため、結果を見ると散々な成績であった。
全教科返ってきた結果を見ても、来年は難関クラスから転落するのはわかっていた。
陽介はその結果をどう父親に伝えようか悩んでいた。
どうせわかることだから早めに言っておいた方がいい。
それは陽介目線でもわかっていた。
いつもの如く塾で勉強し、帰宅する。
帰った時にはいつも部屋に行っていない父親が何故かリビングにいた。
どうも何か重要なことをいう時に限っている父親。何か直感でも働くのか??
小学校の時みたいに怒られるかと思っていたが、いきなりの話しの変わりように陽介はすぐに反応できなかった。ちょっと間を置いて
あまりの親父の判断に陽介もついて行けない。
親父の言っていることに納得する陽介。確かに陽介のクラスも周りは皆敵だ、という雰囲気がある。
陽介は親父の言うことをじっと聞いている。
怒っていないのははっきりしていたからだ。
まさか親父からこんな事を言われるとは思ってもいなかった陽介であった。
親父自身学校開放の時に他のクラスをみていて「どこか雰囲気が違う」というのを認識していたようだ。
陽介が思っていたのと同じものを感じていたのかもしれない。
普通クラスで青春謳歌
クラス分けで思わぬ出会い
2年になり、普通クラスへ落ちた陽介。
ただ、この頃には陽介も失恋のショックからは立ち直れていて、新しい道へと進み始めていた。
クラス分けを見てみる。
普通クラスでもいいメンバーが揃っているクラスだった。そして・・
辰也と同じクラスになったのが陽介にとって1つ目の大きなターニングポイントとなる。
辰也はクラスでは人気者だ。面白い性格のためいろんな人から話かけられている。それが辰也の良さでもあったからだ。
ただし、辰也にも欠点はある。陽介に勉強を教えてもらわないと成績が悪いことだ。
なので、テスト前に陽介が辰也に勉強を教えるのがほぼ恒例行事になりつつあった。
こんな感じで教えていることが多かった。
どこからともなく声をかけられた。
陽介は声のした方へ向く。
陽介は通学時を思い出す。
確かに陽介が住んでいる最寄駅から一緒の制服を来て通学している女子生徒がいた。
ただこの時は学年が違うだろうと思っていただけだったが、まさか同じ学年とは思いもしなかった。
放課後、未帆は部室にきてメンバーと自己紹介をしあう。
そして入部届けを出して晴れて軽音部の一員となった。
1年の冬から抜けてたボーカルが入った事により再度本格始動ができる!と思ったメンバー一同だった。
学園祭前の悲劇
新メンバーになって練習をし、目指すべき舞台は2年の学園祭。
そこを最初にし、冬に外でライブを行う考えで進めていた。
1年の時は陽介が難関クラスだったため、周りのメンバーが気にして言えなかったが、今は普通クラスになっているので、気かねなく言えるようになっていた。
秋になり、学園祭まで1週間と迫った時だった。
この日は雨が降っていた。
いつもなら何気ない横断歩道のある信号。
信号機が青になったため渡っていた。
その時左側から猛スピードで陽介に突っ込んでくる車。
陽介は避けようと必死になった。
しかし、避けきれずに猛スピードで突っ込んできた車に陽介は巻き込まれてしまった。
入院生活で父親の過去を知る
陽介が気がついた時には病院のベッドの上だった。
ベッドの横には母親と父親がいる。
ベッドから起き上がることができない陽介だった。
母親はそっと病室を出て行った。
そう言うと父さんはタブレットPCを置いて行った。
今となっては持っている人も多いが、当時は持っている人が少ない珍しい代物だった。
そう言うと親父は出て行った。
入院生活中に見た動画で勉強方法に改革が起こる
確かに入院生活は暇だった。
足が悪いだけでそのほかの部位は正常だからだ。
幸い脳にも異常はなく、足の回復を待つばかりだった。
入院中にバンドメンバーも見舞いに来てくれてたので、陽介の親父が提案していたことをメンバーで相談したら全員一致で賛成する。
バンドメンバーが出て行ってからはやはり暇な日々が続く。勉強も適度にしているが自由な時間がかなりあるから暇になって仕方がない。
陽介は親父が置いて行ったタブレットPCを取り出した。
陽介は適当に動画サイトをサーフィンしながら動画を見ていく。
おもしろ動画、旅行動画、色々見ていく。
ある動画を見ていたら関連動画の中に興味を引く動画があったので開いて見た。
その動画は、他の動画と比べるとショボい作りの動画であった。
しかし、言っている内容が正論を突いていて陽介にとっては衝撃的だった。
その動画で言っていた事を慌ててメモに取る。
・勉強方法として大事なのは繰り返し行う事
・日常生活の中で隙間時間を利用したら大きな成果になる
・本で見て学ぶ方法もいいが、音声で学ぶことができるのなら音声学習がおすすめ。
・上記方法を実践し、1日5時間以上勉強できれば1年経つと十分難関大学行ける学力はつく
この動画に出会ったことが、陽介にとって2つ目のターニングポイントとなる。
高校生になりますと、家庭学習よりかは外で勉強し、家はゆっくり休む場所にした方が子どもにとっても利点があります。
学校でも塾でも家でも勉強漬けになると、いつかバテます。
そうならないためにも、家くらいはゆっくり休めれるスペースにしてあげてください。
その代わり、学校や塾ではしっかり勉強するようにしていけば必ずや難関大学も合格できます。
さらに、できれば、学校<塾にした方が子どもも集中しやすいです。
個別指導塾スタンダードは最大で生徒2人に対し、講師が1人つきますので、きめ細やかな指導を行うことができます。
さらに、自習室付きの塾なので空き時間には集中して自習ができます。
学校は色んな生徒がいて、中には真面目に勉強しない生徒も地区有数の進学校であってもおります。
そういう生徒に流されてしまうと当初の計画から大きく外れる可能性があります。
ただでさえ誘惑に弱い高校生です。流されてしまっては本末転倒です。
それを防止する目的でもあるため、学校は程ほどにして、塾でしっかり勉強させる方が良い方法でもありますよ。
退院して開花する
1か月後、陽介は退院した。
まだ左足の調子はおかしいが右足が大丈夫だから日常生活もほぼ問題なくできるようになっていた。
一応バンドのライブは11月下旬に行う方向で話を進めて行った。
バンドの練習終わっていつもの如く塾へ行く。
塾へ行ってから講師に色々教えてもらう。
そして、講義が終了してから向かった先は自習室、でなく近所のファーストフード店。
そこで軽く食事を取りながら、カバンを机の上に置く。
そこに父親から中古でもらったPCとウェブカメラ、マイクを取り付ける。
そして、動画録画を行う。
カメラの向かっている先は陽介のノート、カメラは逆さまにならない位置、かつ見やすい所につけている。
そして、マイクで自身の音声をそのまま録音して行って、その日学んでわからなかった事を動画にして行った。
それを帰りの電車の中で編集し、携帯に落とし込む。
携帯には倍速再生ができるソフトを入れているため、倍速で聞くことができる。
それを次の日の朝に聞くという陽介独自の勉強スタイルができた。
休日は部活をしているか、部活がない日は午前中ファーストフード店で英単語とかの勉強動画を自分で撮り、それを携帯に落とし込む作業をして行った。
大学受験用のやつも1か月くらいしたら十分な量になった。
その中でも、英単語のやつは大学受験本番までずっと動画を見続けることになる。
初めての外でのライブ
11月になったら陽介の足の具合もだいぶ良くなった。
もう演奏していても足に響くこともなかった。
陽介は親父に外でライブしたいと言う。
親父はどこかへ電話をかけた。
※コピーバンド→バンド活動を初めて最初の頃は好きなバンドや歌手の曲のコピーから始まることが多い。そのバンドの事を指している。
翌日
ただ一人、優典が乗り気でない表情だったのが気になったが、、、
帰宅後
外でのライブ本番
外でのライブ本番の日がくる。
ライブ会場は陽介が通っている学校から快速で2駅ほど行った所にある街だ。
最寄駅から少し外れた所にそのライブ会場はあった。
雑居ビルの地下にあったライブ会場で、約100人くらいが入れるスペースだ。
初めてのライブ会場に興味を示す陽介と未帆。
こちらは以前に経験あるのか余裕の表情の辰也と優典。
裏方に行くと他の参加者が結構集まっていた。
それぞれ自己紹介をして行く。
ある大学生バンドに話しかけられる優典。
H大学、偏差値60は超えている結構難関の大学ではある。
ライブ会場のスタッフから説明を受け、ライブが始まる。
まず最初は陽介のバンド。
ステージに出たら結構人がいた。
陽介の高校のクラスメートもいれば大学生もいたり社会人の方もいたり。
陽介は2回目のライブだったが、1回目から日が空いていたため最初だけ緊張したが、すぐに慣れて本来のペースで演奏できるようになっていった。
陽介の演奏が終了する。
陽介達は観客に混じって他のメンバーの演奏を聞く。
他の参加者達の演奏は陽介達のレベルとは格段に違っていた。
そして、演奏に迷いがない。堂々としていた。
優典のお兄さんのバンドの演奏もレベルが高かった。
優典のレベルも高い方だと思っていたが、優希兄さんの方はそれよりも一枚上手の実力だった。
優典が分析したように話しかけた。
優希兄さんの演奏が終了し、観客席に戻って来る。
陽介、辰也、未帆「はい!経験したいです」
意外な過去を知れた。そして、世界はどこかで繋がっている。
陽介はそれを感じれた今回のライブであった。
それから3年生になるまでは定期的にライブに出させてもらってた。
途中クラス分けのテストがあって、陽介は日々の勉強の成果、さらに独自の学習方法の開拓により難関クラスに戻れる成績、しかも難関クラスでも上位の成績になっていた。
来年のクラス分けの面談の時、担任に「難関クラスどうする?」と聞かれたが、
とはっきり断った。
その方が陽介にとって性に合ってたからだ。
受験ムード一色になる
志望校選択
3年生になり、周りが一気に受験ムードになる。
やはり3年生=受験という考えが嫌でも出て来るものだと思った。
B高校は2年生から3年生へはほぼ横スライドで上がるため、クラスのメンバーにほぼ変更はない。
難関クラスから落ちてきた人が2人くらいいて、逆に難関クラスに上がったのが2名いたので、実質はほぼ同じメンバーだった。
そして、辰也と3年も同じクラスになった。
この頃になると皆それぞれ志望校を決め出す。
陽介も例外でなく、この時点で陽介はクラスではトップクラス、難関クラスでもトップ20位以内に入れる成績であった。
陽介はこの時、漠然とK大学へ行きたいと考えていた。
K大学は陽介の通っている所からは少し遠いが通えない距離ではない。
そして、優典のお兄さんである優希兄さんよりも上位の大学になる。
今の陽介には少しきついが、1年頑張れば行けるほどの成績でもあった。
ここで志望校を決めた陽介は、まずはセンター試験対策に重視するようになった。
部活もこの時には週2くらいに減り、学校終了後は塾にこもりっきりになる事が多くなった。
夏休み前の出来事
季節は流れ、3年生の夏休み前になる。
この夏休みをどう過ごすかで今後のセンター試験、強いては大学入試の成績が決まると言っていいほど重要な時だ。
夏休み前にメンバー全員で集まって会議をする。
一同「そうしよう!」
という事でそれぞれの目指している大学に向けて勉強する。
天王山の夏休み
高校生活最後の夏休みに入る。
別名「天王山の夏休み」
ここをうまく乗り越えた受験生はその後成功を掴むが、失敗するととことん落ちて行く。
陽介はここぞとばかりに集中して勉強した。
個別指導塾も空いている時間は全て自習室に閉じこもって勉強を重ねる。
そして、週2回のバンドの練習日には思い切り弾ける。
このオンとオフの使い分けが受験生にとってはかなり重要になる。
ずっと受験勉強続きだとその内ガス欠になる。
なので、適度に気分転換する時は受験生であっても必要ではある。
ただ、ずっと気分転換ばかりでもダメなので、その塩梅がかなり難しい所であるが、陽介はその辺りは上手いことやっていた。
ちなみに、夏休みに行われた模試で、陽介の志望する大学の判定がB判定になる。
B判定になっても陽介は気を抜くことなく受験勉強に励んだ。
高校生活最後の学園祭
夏休みが明けて、高校生活最後の学園祭になる。
この時ばかりは、受験生であっても高校生活最後の思い出作りのため学園祭に熱心にするようになる。
ほとんどの生徒は熱心になるが、一部冷めた生徒もいる。
そして、学園祭や関係なしに受験勉強をしまくる生徒もいる。
同じ高校内でも「これだけ差が出るのか?」と見ていて面白い所ではあった。
陽介は学園祭で軽音部として出るため、その練習を受験勉強の合間にしていた。
一同「うん」
学園祭本番を迎える。
最後の学園祭とあって、高校3年生の熱中さが半端ない。
ステージも同様であって、皆それぞれの演目で熱中していた。
順番が周り、次が陽介達のバンドの番。
この時には、2年前と違い緊張することはなくなっていた。
一同「うん!」
進行係に言われ、順番が来たことを告げられる。
メンバー一同ステージに向かって走っていった。
学校の外で経験を積んだメンバーであったため、他の出し物をしていた生徒達とは比べ物にならないくらい高レベルな演奏をする陽介達。
そして、軽音部にも後輩が入って来てたが、後輩も陽介達の演奏に引き込まれていってた。
演奏中にふと陽介は観客側をみる。
自分たちの音楽に合わせて乗ってくれるクラスメート。
最前列では飛び跳ねてくれている。
そしてメンバーと音楽で一心同体になった瞬間でもあった。
この時は今までよりもさらに快感度が高かった。
陽介達のステージはあっという間に終わった。
演奏終了して一旦ステージから去ったが、観客側からアンコールの声が響く。
順番的に陽介達のバンドが最後であったため、進行係に確認する。
そしたら時間が少し余っているからアンコールしても良いという返事が来た。
未帆が先にステージに出たのに連れて他のメンバーも定位置に着く。
観客席のボルテージは最高潮に上がった。
陽介達の持ち曲の中でもハイテンションになる曲を2曲続けて演奏して、高校生活最後の学園祭は終了する。
そう言ってメンバーは裏方に去って行った。
後輩「先輩、お疲れ様です。とても上手な演奏で聞き入ってました」
1年前、陽介が優典のお兄さんである優希さんに言った言葉を後輩から言われた。
この時、陽介は自分の演奏スタイルができたことを確信した。
後輩に向けて簡単に言って陽介はその場を後にした。
学園祭後の部室にて
一同「うん!」
受験勉強しつつセンター対策に滑り止めを受ける
秋になり、早い所では大学の入試が始まる。
センター試験の練習のため、また本命落ちた時の滑り止めのため、この頃になると私立大学への受験を行う生徒が多くなる。
陽介も例外でなく滑り止めかつセンター試験の予行演習を兼ねて私立大学を受ける。
陽介が受けたのはM大学。
K大学に近い偏差値の大学であった。
といった感じで受けた大学であった。
結果は合格。ここで滑り止めは確保できた。
軽音部のメンバーもどこらかしか受けててそれぞれ滑り止めは確保しているようだった。
センター試験
センター試験前日まで
年が開けると一気にセンター試験ムードになった。
この頃になると、時間のかかる教科に注視するのではなく、暗記系科目に注視して行く。
得点源になりやすいためだ。
ただ、計算系科目もあまりにしなかったら腕がなまるので、センターの過去問を中心に対策を行って行く。
この頃には陽介の志望大学であるK大学に合格するくらいの学力は十分付いていた。
当日トラブルに見舞われない限りは。
センター前日
いよいよ前日になった。
この時になるとどうあがいても無駄なので、軽めに勉強して終わらせる。
軽音部のメンバーに話を聞くと皆センター会場から歩いていける距離のホテルに泊まるとの事。
陽介は逆に他のメンバーと比べたらセンターの会場までが近いので、当日行く事にした。
そして、前日の夕ご飯に母親がゲン担ぎも兼ねて豚カツを作っていた。
陽介は美味しく頂いた。
これが次の日に来る恐怖の出来事のきっかけになろうとはこの時想像もしなかった。
センター試験当日
センター試験当日になった。
当日朝は軽めに食べて受験会場に向かう。
陽介が出た時間だと十分早い時間に着く予定であった。
住んでいる所の最寄り駅に着く。
駅の改札を過ぎて、ホームへ向かって行く。
駅のホームへ向かっている途中で何かお腹が痛くなる。
と思った瞬間
とトイレへ一直線に向かう。
トイレで陽介が戦っている間に無情に過ぎて行く時間。
余裕を持って出たのだが、時間がギリギリになり、受験時間に間に合う最後の電車も過ぎてしまった。
トイレから出てきて時間を見る陽介。
一気に青ざめる。
慌てて改札を出てタクシー乗り場へ向かう。
タクシー乗り場は同じく電車に乗り損ねた受験生が長蛇の列を作ってた。
よりにもよって普段はガラガラのタクシースペースが今日に限って長蛇の列になっている。
バス乗り場はと向かうが、どうもバスが来ていない。
ここは休日ダイヤになるとセンター試験が始まるまでバスがこないダイヤになっていた。
こんなことをしている間にも無情にも時間がすぎて行く。
交差点の前で呆然とする陽介。
絶体絶命の陽介。こんなことなら前日に重たい食い物なんか食べなければ良かったと後悔するが後の祭りである。
絶望してたその時
声がする方を振り向く。
そこにはバイクに乗った優典のお兄さんがいた。
陽介は優典のお兄さんの運転するバイクに乗って受験会場へ向かう。
優希さんは混まないかつ最短ルートを駆使して受験会場まで向かってくれる。
途中本来の最短ルートから逸れたルートを使う。
裏口から入るルートみたいだ。
優希さんがかなり駆使してくれたおかげで、当初の電車組よりも早い時間で着くことができた。
優希さんに見送られ、受験会場へ向かう。
そこには前日から現地入りしていたバンドメンバーがすでに入っていた。
辰也が出したスマホに出ていたのは陽介が乗ろうとしていた電車の運行状況。
それを見ると大きく「運転見合わせ」と言うのが出ていた。
陽介はまだ神様に見捨てられてないことを実感した。
通常組と同じ時間でセンター試験を受けることができ、そして初日を終える。
なお、電車組は2時間遅れで到着し、別室対応になった。
あの電車に乗っていたら、、と思うとゾッとする陽介であった。
次の日も受けるが陽介は会場近くのホテルを取っていたのでそこに泊まる。
なので次の日は電車の時間を気にせずに受けることができた。
センター終了後、家に帰って自己採点する。
思ったよりも良い成績だった。
そして、おそらくセンター前に出願したK大学が良ければ合格しそうな成績だった。
と淡い期待を抱いていた。
K大学の一般入試も受け、一般入試後すぐにセンター出願の結果が出た。
K大学 合格
陽介は第一希望のK大学への進学を手にした。
この時には学校は仮卒期間になっていたが、メンバー一同集まる機会を設けていたためその時に聞いて見る。
優典は優希さんと同じH大学。
そして辰也も優典と同じH大学。
辰也の最初赤点を取っていた学力からしたら大きな成果だった。
未帆はA大学だった。
一応優典と辰也以外は違う大学になったが、皆それぞれ近いので高校卒業してからもバンド活動は続けれそうだった。
一同「うん!やる!!」
高校卒業、そして新たなステージへ
高校の卒業式、メンバーそれぞれ感慨にふける。
未帆は泣いている。
優典と辰也は相変わらずだった。
高校卒業の日、最後に部室に集まって写真をとる。
この制服を着るのはこれで最後、そして3年間いたこの部室とも最後。
感慨にふけっていたが、思い出の1Pとして写真に残す。
卒業後、着替えてからライブ会場へ向かう。
優希さんは照れていた。
この日も出演は1番目だった。
ライブ会場のスタッフから出番を告げられ、ステージに向かう。
高校生活最後の思い出を作り、新たなステージに向かうための光に包まれながら4人はステージへと向かって行った。
まとめ
・B高校に合格し、難関クラスからスタートする
・B高校は部活をしなければいけない高校であり、陽介は軽音部に入る
・軽音部で優典、辰也、朋子と知り合い、ベースを選ぶ。
・初心者同士の陽介と朋子が練習している中でお互いの距離が狭まる
・学園祭後、陽介と朋子は付き合い出す
・しかし、すれ違いが多くなり、冬に別れてしまう
・陽介はショックから立ち直れず、クラス分けのテストで難関クラスから普通クラスに転落する
・普通クラスに転落したが、辰也と同じクラスになり、さらに、陽介の同じ中学出身の未帆と出会う
・軽音部の抜けたボーカルに未帆が入る
・学園祭に向けて練習していたが、本番1週間前に陽介が事故に遭い、入院する
・学園祭は出れなかったが、入院生活で親父に外でライブすることの重要性を説明され、外でライブをすることにする
・親父から貸してもらったタブレットPCでたまたま見た動画で勉強法に目覚める
・それからその動画の通りに勉強して行ったら成績がみるみる上がる
・外でライブを行った会場で優典のお兄さんである優希さんに出会う
・それから定期的に優希さんが出演するライブに出るようになり、陽介他メンバーは外の世界の大事さを知る。
・高校3年になり、受験勉強を本格化させる
・陽介はK大学へ行く事を決める
・夏休み前には志望大学にほぼ受かるくらいの実力がつく
・高校生活最後の学園祭を機に受験勉強に専念する。
・センター試験当日、電車に乗る前に急に来た腹痛のせいで電車に乗り損ねる
・タクシーいっぱい、バス来ないという絶対絶命の中、優希さんが通りかかり受験会場まで送ってもらう
・受験会場到着後、達也から陽介が乗ろうとしていた電車が止まっている事を告げられる。
・センターは思ったよりも良い成績であり、それでK大学へ合格する
・高校生活最後のライブで新たなステージへと向かう
以上、B高校入学から難関大学までの合格記でした。
センター試験(2020年からは大学入学共通テスト)は高校生にとっては人生を決める大きな分岐点です。
ここで失敗したらその後の人生にも影響してきます。
そうならないためにも、大学進学を目指しているなら高校1年生の頃からじっくり対策を行っていく必要があります。
そして、大学入試クラスになると家庭学習で行くのにも限度があります。
ここは学校の授業+塾へ行って勉強して行くのが効率良い方法になります。
陽介の場合、小学生の時に苦い経験をしているため個別指導の塾を選びました。
個別指導の場合、最大でも生徒2人に対し講師が1名つきますので、分からない所は逐一教えてくれます。
なので、集団で聞くよりも利点が多いです。
そして、自習室完備という所はなお良いです。
この頃になると家庭学習よりかは外で勉強し、家はゆっくり休む場所にした方が子どもにとっても利点があります。
学校でも塾でも家でも勉強漬けになると、いつかバテます。
そうならないためにも、家くらいはゆっくり休めれるスペースにしてあげてください。
その代わり、学校や塾ではしっかり勉強するようにしていけば必ずや難関大学も合格できます。
できれば、学校<塾にした方が子どもも集中しやすいです。
学校は色んな生徒がいて、中には真面目に勉強しない生徒も地区有数の進学校であってもおります。
そういう生徒に流されてしまうと当初の計画から大きく外れる可能性があります。
ただでさえ誘惑に弱い高校生です。流されてしまっては本末転倒です。
それを防止する目的でもあるため、学校は程ほどにして、塾でしっかり勉強させる方が良い方法でもありますよ。