今の子育てにおいて、習い事をさせる事は当たり前になってますよね。私の頃は習字にそろばん、そして水泳ぐらいでした。
今は昔からあるものに加えて、サッカー・テニス・塾・リトミックなど習い事が多様化しています。
たくさんの中で何が子どもに向いてるのか、また何をやらせるべきなのか、掛け持ちってどうなんだろうと色々考えて悩んじゃいますよね。
実際習い事を掛け持ちさせるときにメリットってなんだろう?とはあまり考えないと思います。
なぜならやらせたい!と思う気持ちが強いので、不安になるとしたらデメリットではないでしょうか。
ですので今回は、幼児期の習い事を掛け持ちすることのデメリットを中心に、紹介したいと思います。是非参考にしてみてください。
デメリット
遊ぶ時間が減る
私は子どもの頃、2つ程習い事をしていました。
昔の定番のそろばんと習字です。
でも行きたいと思ったことは一度もなかったです。
それでも最初の頃はちゃんと通っていたのですが、そのうち本当に嫌になってきて「行ってきます」と家を出た後、スクールの近くにある友達の家で遊んでました。
もちろん先生から「来てない」と家に連絡が行くので、すぐにバレるのですが、何回バレても行きたくなかったんです。
こう書くと「辞めたらいいのに」と思われると思います。
もちろん「やめたい」と言いました。でもなかなか辞めさせてもらえなかったんです。
習字は「字が綺麗じゃ無いと将来困るから」
そろばんは「計算が早くなるし、貴方は指先の力がなさすぎるから続けた方がいい」
今になれば、「習字続けておけばよかったな」とか、そろばんも「やってればよかったかな」ぐらいは思いますけど、当時はそんなこと無理です。
子どもに「将来」という途方も無いワードを投げかけたところで響かないです。
子どもはそれがいいか悪いかは別として「楽しい」事しかしたくないんですよ。
両方とも向いてなかったんでしょうね。楽しくなかったんです。楽しく無い事を長々やらされるぐらいなら遊びたい。単純な理由です。
習い事をせずに、学校から帰ったらすぐ遊んでる友達がすごく羨ましくて
「なんで私は学校が終わっても自由に遊べないんだろうって」思ってました。
その時私は、小学1年生ぐらいだったと思うんですけど、小学生でもそう思うんです。今掛け持ちしている幼児だと、早い子で3歳ぐらい。複数の習い事をやってる子もいますよね。
昭和的な考え方かもしれませんが、「子どもは遊ぶのが仕事」だと思うんです。
なぜなら、遊びの中からからたくさんのことを学んでいるからです。
ルールや順番を守らないといけないという「社会に適合する力」や、粘土や工作から学ぶ「創造する力」、自然に触れ季節を感じたり、生き物と触れ合うことで学ぶ「感じる力」など…子どもは、さまざまなことを、遊びの中から吸収しているのです。
休息が削られ、疲れてしまう
時々「疲れた」という、子どもの話を耳にして驚くことがあります。
自分の子ども時代を思い返しても、疲れた経験なんてあまり記憶にないからです。
でも今の子どもたちは、本当に多忙なんですよね。
その原因の一つが、習い事の掛け持ちです。
幼稚園で遊んで学んで、家に帰って好きなことをして過ごす。
私のイメージする子どもの生活ってこんな感じでした。でも、例えばここに掛け持ちの習い事が入るとどうでしょうか?
子どもの休息する時間がけずられ、家に帰ると急いで晩御飯・お風呂そして就寝と、非常に慌ただしい1日を過ごす日が多くなってしまいます。
疲れるのは子どもだけではなく、送迎をする大人もですよね。家事や仕事をこなし、習い事の数だけ送迎やそれに伴う人間関係。疲れない方が変です。
疲れてくると普段なら大丈夫な事でも、イライラしてしまいます。親子のコミュニケーションもうまくいかなくなったりと、1日に詰め込みすぎるのは問題です。
休息時間は絶対に必要ですし、1日の中に「余白」がないと息がつまっちゃいますよね。
全てが中途半端になり、混乱する
色々なことを同時にやると、どうしても混乱してしまいます。習い事の掛け持ちもその中から特別好きなものができ、一つに絞るならいいと思います。
そうではなく、なんとなく全部を続けてる状態だといわゆる「器用貧乏」状態になりかねません。
そこそこいろんな事ができるけど、どれもこれも中途半端な状態です。
私自身ができて2つぐらいまでなので、いろんなことを同時進行で覚えろと言われたら、きっと混乱してしまいます。
物事を習得しようと思ったら、習った後家で復習して「わからない事」を見つけて次回また習って「分からない事」をなくしていく。
大人なら、やらなきゃいけないとほかの時間を削ってでもやりますが、子どもはそうはならないですよね。
とりあえず連れられて習い事にはいくけれど、その場が終わればその事は忘れる。そんな状態だと、なかなか習っても身に付かないものです。
親と子どもの一番が一致しないと大変
子どもはAがすごい好きで、これだけに集中したいから他は辞めたいと言ったとします。でも親はBを続けて欲しくて、なかなか子どもの希望を聞き入れる事ができない。
こういう話をちょこちょこ耳にするたびに、「実際やるのは子どもなのになぁ」と残念な気持ちになります。
子どもが自分の意思で習い事を掛け持ちしたいと言うなら別ですが、親が「やらせたい」から「やらせる」なら意味がないですよね。
習い事を続けるのは、月謝もバカになりません。そろばんや習字など、昔からあるものならそんなにかからないとはいえ、月に5千円〜1万円ぐらいはかかります。それを複数やると結構な出費になりますし、バレエやフィギュアなど、月謝以外にも結構なお金がかかる習い事もあります。
お金をかけるから、子どものやりたいより親のやらせたいを優先するようなら、本末転倒です。
気持ちはわからないでもないのですが、そうなってしまうと子どもは辛いだけで、せっかく通っても知識や技術は身につきません。
「好きこそものの上手なれ」
センスや才能がある事に対しては、好きなんですよ。逆に向いてないことは、やりたくない!と思うように出来ているので、子どもがやりたいものだけやらせてあげるのが一番なのではないでしょうか…。
まとめ
- 子どもの遊ぶ時間が減ってしまう
- 遊びは子どもの学びの場である
- 休息する時間が削られ、子どもが疲れる
- いっぺんにいろんなことをすると混乱し、全てが中途半端になってしまう
- やらせたいからではなく、子どものやりたいを尊重する
私は子どもが「やりたい!」と言った場合を除いて習い事の掛け持ちには否定的です。なぜなら私が一度に色々なことを覚えようとしても、無理だからです。
例えば、仕事から帰ってきてあまり気の向かない資格の勉強をしようとしても「明日でいいや」とその「明日」がなかなか来ない事なんてザラです。
色々なことを考えて行動する大人でもそうなんですから、自分の好きな事しかしない子どもだと、なおさらです。
でも…習い事の掛け持ちにも、メリットがないわけではありません。
いろんなものに触れる事で、選択肢が広がりますし、触れた物事の数だけ人に出会います。人との出会いは財産ですから、子どもの視野を広げるのに役立ちます。
こどものやりたいを優先してあげて、勉強系一つ運動系一つぐらいが、掛け持ちするにしても限界な気がします。
言ってみれば、幼稚園も習い事のようなものです。
そこで色々な事に少しづつ触れて、何かもっと深くやってみたいと思うことがあればやらせてあげたらいいのかなと思います。
私たち大人は、自分が子どもの頃思っていたことを、ついつい忘れがちです。その「子供目線」を思い出して子どもに接するようにしていきたいですね。
「習い事なんかやりたくない。」
「もっと友達と遊びたいのに…」
子どもたちの見えない声…届いてますか?
子どもにこんな風に思わせることの無いように、そして、子ども自身も、お父さんお母さんも、一緒に楽しく続けていけるような習い事を、選んであげれたらいいですね。