子どもが小学校に入学して
「やっと手が離れた!」
と、思ったのに
「何だか、前よりも忙しい気がする…」
そんな風に思ったことはありませんか?
実はそれ、なるべくしてなっている「現象」なんです!
「小学生になる」という節目を利用して、習い事を始めようとしている方や、なんだか最近、子どものことで疲れやすいと思う方など、小学生が忙しい「理由」を掘り下げてみましたので、是非、一緒に考えてみませんか?
小学生が「忙しい」のはどうして?
まず、お子さんが小学校に入学してから親が考えることと言えば、最初にお伝えした通り「手が離れる」という部分ではないでしょうか。
保育園に通わせてらっしゃった親御さんには、あまり変化は感じられないかもしれませんが、預けることの出来る時間が、保育園に比べて短い幼稚園に通わせてらっしゃった場合は、この「時間の差」が大きいと思います。
特に最近では、1年生であっても5時間目の授業があったり、学校によっては「学童」といった学校内で、子どもを預かってくれる制度も多く存在しています。
ここまでの話を見てる限りでは、5時間授業があり、学校内で預かってくれる場合があるというだけで、忙しさを感じることはないですよね。
では、小学校にあがることで、どのようなことが変わるのでしょうか。
子どもの登下校に、親は付き添わなくなる
幼稚園であっても、保育園であっても、子ども1人で向かわせることはしませんよね。
園バスが来る場合にしても、待ち合わせ場所まで一緒に行きますし、近場であれば、歩きや自転車の場合もありますが、どのような状況であっても、親が付き添うのが普通です。
ですが、小学生になると、基本的には登下校の際に、親は付き添いませんよね。
子ども1人の足で、学校までの道のりをひたすらに「歩く」というのは、私たちが考えている以上に時間がかかることがあります。
しかも、ランドセルの中には、ぎっしりと勉強道具が詰まっている状態…
足取りが重くなってしまっても、仕方ありません。
以前、娘の通っている小学校からのアンケートに「登下校の時間について」というものがあり、ほどなくして配布された結果を見て驚きました。
登下校の平均時間は25分から30分程度で、最短で5分前後、最長で1時間前後とのことでした。
学区の端になると、このようなことも少なくないそうで、学校と家を往復するだけで2時間も取られてしまうことになってしまいます。
平均時間で考えたとしても、往復で1時間はかかるわけですから、学年があがり、6時間授業が増えてくると授業の終了時刻から考えても、家に着くのは16時を過ぎてしまう子どもが増えてきます。
また、小学校にあがることで変わる部分は、これだけではありません。
毎日の宿題
「勉強」という新しい習慣に慣れてほしいのに、同時進行で出てくるのがこの「宿題」です。
娘が1年生の頃は、最初はノートに簡単な「日記」を書いたり、その日に習った漢字をおさらいして書くなどのクセをつけるための宿題からスタートしました。
が、この方法は2週間ほど経過した所で、漢字か算数の補助教材を進める・音読をするといった宿題に切り替わりました。
単純に、お手本と同じ漢字を書いていく・1桁ずつの足し算を行うといったスタートでしたが、今まで「宿題」という習慣のなかった子どもにとっては、頭の中でうまく処理することが出来ずに、泣き出してしまったり、癇癪を起こしてしまうお子さんも居るそうです。
これらを未然に防ぐ為には、塾に時間を割くか、子どもの宿題に親自身が時間を割くしか方法はありません。
対処を間違えてしまうと、子どもの中で勉強に対する苦手意識ばかりが膨らんでしまうので、特に最初は塾に通わせるよりも、隣に付いて見守ってあげる方が安心感もあるので、精神的に不安定になりにくく、オススメですよ。
友達の幅が広がる
幼稚園や保育園と比べて、主に「学区内」の子どもが集まるのが小学校ですよね。
ということは、今まで以上に多くの子どもと接することになり、良い意味でも悪い意味でも、影響を受けてきます。
社交的な子も居れば、内向的な子も居るのが当たり前ですが、子ども同士が仲良くなるのに、それほどの時間は必要ありません。
そして、仲良くなれば必然的に学校の外でも一緒に遊びたいと思うのが普通ですよね。
近所に公園や児童館など、遊べる場所があれば良いのですが、なかった場合は
「お友達の家に行く!」
なんてことも出てくることがあります。
我が家は、送り迎えの必要がないくらい、家のすぐ近くに大きな公園があり、友達と遊ぶことが多いのですが、遠くから遊びに来るお子さんに関してはお母さんやおばあちゃんなど、必ず付き添いが居ます。
小学生になったから、と言っても1人で遊びに行かせるのは、やはり不安要素が大きすぎて難しいですよね。
そうなると、どうしても子どもに時間を割くことになってしまうので、結果としては自由になる時間が減ってしまうんです。
習い事、始めるなら?
さて、冒頭でもお伝えしましたが、小学生になったことで習い事を始める「チャンス」だと思ってる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
新しいことを始める「きっかけ」としては、確かに小学生になったという節目は大きな意味があり、習い事や塾のパンフレットなどにも「小学生になったら始めよう!」といった謳い文句が目につくこともあると思います。
ですが、先にお伝えした通り、小学生になったことで、子どもにとっての生活も大きく「変化」しています。
例えば、引っ越しをする際には、ダンボールに荷物を詰めますよね。
どんなに綺麗に、そしてコンパクトに詰めたとしても、ダンボール一つに詰めることの出来る容量が増えることはありません。
大人と比べ、柔軟な頭と心を持っている子どもであっても、覚えることの出来る容量には限りがあり、限界まで詰め込んでしまっては、どこかが破れてしまったり、蓋を閉めることが出来ずにあふれてしまいます。
もし、このような状態に陥ってしまったらどうなるでしょう?
結果として待っているのは
「勉強が嫌だ」
「習い事に行きたくない」
「塾が面倒くさい」
といった、マイナスの感情ばかりが先行してしまうようになります。
もし、幼少期から続けている習い事がある場合に関しては、子どもの意見を聞き、子ども自身に続けていきたいという意思がないのであれば、一度辞めさせてみるのも良いと思いますよ。
それくらい、小学生になることで経験する「変化」は、子どもにとっても負担になることがあるということを忘れないであげて下さいね。
それでも「早いうちから習い事を始めたい」とお考えの方は、是非、こちらの記事も併せて読んで頂きたいと思います。
子どもに習い事をさせることで学べる機会の減ってしまうことや、日々の生活の中で学ぶことが出来る大切なことが詰まってますよ。
子どもとの向き合い方
子どもの成長に欠かせないことの1つに「反抗期」があります。
ですが、今現在は「反抗期がない」というお子さんも居るそうです。
が、この「反抗期がない」ということに関しては両極端の意見があり、大なり小なりの反抗期があった方が良い、という親御さんも少なくないのだとか。
では、なぜ「反抗期がない」子どもが居るのでしょうか?
理由として考えられることは、次の通りです。
- 親と接する時間が短く、あまり関心がない
- 親からの威圧・暴力といった行動からの自己防衛
- 親離れ・子離れが出来ていない
- 甘えたい・寂しいなどの感情を素直にぶつけられない
- 親に対しての憧れ・尊敬の念が強い
- 人とコミュニケーションをとることが難しい
などの理由が考えられます。
これらは、実際に私の周りで「反抗期がなかった」と教えてくれた友人などの意見を参考にしています。
先程もお伝えしたように、「反抗期がない」ということに関しては両極端の意見があり、話を聞いた友人の中でも、意見が割れました。
この中で、今回もっとも注目して頂きたいのは
- 親と接する時間が短く、あまり関心がない
- 親からの威圧・暴力といった行動からの自己防衛
- 人とコミュニケーションをとることが難しい
上記3点です。
なぜ、この3点に注目して頂きたいか。
どれも「塾」や「習い事」をさせることで遭遇するかもしれない箇所だからです。
塾や習い事をさせるということは、親と接する時間が短くなる原因を、親自身が作ってしまうことになりますよね。
また、接する時間が短くなることで、私たち親の時間も、塾や習い事への送り迎えに割かれることから、買い物や家事などの部分にしわ寄せが行くことになり、子どもとの時間を減らしてしまうことに繋がります。
子どもとしては、聞いてもらいたい話や、褒めてほしいことがあっても、
「今忙しいから、後でね。」
なんて言葉で片付けられてしまっていては、「親」に対しての関心が薄れてしまっても仕方がありません。
また、親からの威圧や暴言・暴力といった行動からの自己防衛も、
「どうして出来ないの?」
「ちゃんとやりなさい!」
なんて言葉、使ってはいませんか?
これは、習い事などに限ったことではありませんが、水泳やダンスといった周りも同じことを行う場合、自分の子どもが習っていることに対し、遅れているのを目の当たりにしてしまったら、つい言葉に出てしまうことがあるのではないでしょうか。
子どもとしては「一生懸命頑張ってるのに。」と思うこともあるかもしれません。
ですが、応援してくれる筈の親に上から押さえつけられてしまっては、言い返すことが出来なくなる子も、もちろん居ます。
「言えない。」
「逆らえない。」
という気持ちは、植え付けられてしまった時点で、なかなか根っこから取り除くことは出来ません。
暴力に関しても、力いっぱい叩くことだけが「暴力」とは限りません。
つい熱が入り、軽く手をあげてしまった程度であっても、子どもの中に残る印象は「叩かれた。」というものに変換されてしまうことがあります。
このような事態に陥ってしまった場合、子どもに植え付けられる感情は
「言うことを聞かないと叩かれる・否定される。」
といったマイナスの思考になってしまいます。
すると、本人にその気がなくとも、無意識に自分を抑え込んでしまうようになり、感情を表に出す・表現するということが難しくなっていきます。
結果として、人とコミュニケーションをとることも避けるようになってしまいます。
子どもの為を思っての行動だったはずが、子どもを傷つけてしまったり、苦しめてしまっていては、これほど心苦しいことはないですよね。
特に、3年生頃までは、まだまだ感情のコントロールがうまく出来ないこともあり、親が頭を悩ませることも多くあります。
そんな多感な時期だからこそ、子どもに時間を割いてあげるべきではないでしょうか。
塾や習い事は、必ずしも幼少期から始めなければ結果の残せないものではないと思います。
また、子どもが自分から興味のあるものを示してくれるのを見守るのも、親だからこそ実感できる「子どもの成長の一つ。」だと思いませんか?
子どもが、自分で様々なことを経験し、身につけ、学んだことを活かしていけるようにするには、私たちも一度足を止め、子どもと同じ歩幅でゆっくりと景色を楽しみながら進んでいくことです。
親のエゴで、子どもの可能性を奪ってしまわないよう、子どもの言葉に耳を傾け、しっかりと向き合ってあげることこそが一番大切なことですよ。
まとめ
今回は、小学生になることで「忙しくなる原因」についてを掘り下げてみました。
小学生になることで
- 子ども一人で登下校する
- 宿題という習慣が増える
- 友達の幅が広がり、行動範囲も広がる
といった点が大きく変化します。
これらにより、手が離れたはずが、あまり忙しさに変化が見られなくなってしまうんですね。
学校によって、違いはありますが、学童やあいキッズといった子どもを預かってくれる制度を取り入れているところもあるので、もし活用出来るのであれば、活用することも検討すると親としては時間の確保に一役買ってくれそうです。
「習い事を始めたい」と考えている場合は、どんなに柔軟に対応できる子どもの頭と心であっても、覚えることの出来る容量には限りがあり、限界まで詰め込んでしまっては、どこかが破れてしまったり、蓋を閉めることが出来ずにあふれてしまうということを心に留めておいてあげて下さいね。
幼少期から続けている習い事がある場合は、この機会に子どもの意見を聞いてみて下さい。
子ども自身に、続けたいという意思がないのであれば、一度辞めさせてみるのも良いと思いますよ。
小学生になることで経験する「変化」は、子どもにとっても負担になることがあるという部分を忘れないであげて下さいね。
子どもとの向き合い方によっては「反抗期」が訪れない子が出てくる場合もあります。
習い事をさせることによって、成長のチャンスにもなる「反抗期」を潰してしまう恐れがあることを忘れないで下さい。
特に、3年生頃までは、まだまだ感情のコントロールがうまく出来ないこともあり、親が頭を悩ませることも多くあります。
子どもが、自分で様々なことを経験し、身につけ、学んだことを活かしていけるようにするには、私たちも一度足を止め、子どもと同じ歩幅でゆっくりと景色を楽しみながら進んでいくことです。
親のエゴで、子どもの可能性を奪ってしまわないよう、子どもの言葉に耳を傾け、しっかりと向き合ってあげることこそが一番大切なことではないでしょうか。
子どもは、成長していく上で必ず、親離れのタイミングがあります。
ただでさえ、小学校に通うようになり、親と過ごす時間やコミュニケーションをとることが減っていきます。
子どもの為にと思う行動が、子どもを苦しめてしまう結果になる場合も少なくありません。
まだまだ甘えたい気持ちも持ち合わせているであろう3年生頃までは、大人になった時の為にも、接する時間を長くとれるよう、のんびりとしたペースで子育てを楽しめる時間にできると、笑いあえる生活を過ごせるのではないでしょうか。
しかし、私たちが子どもの頃と違って最近はより忙しくなるケースもあるみたいです。
私の職場の上司がその苦労話をしてくれましたので、紹介します。