子どもが小学校に入学してから不安に思うことと言えば、友達などの人間関係や、勉強に関することが多いのではないでしょうか。
我が家も、学校のペースについていけるのかとハラハラ見守っておりましたが、今の所は、特に大きな問題もなく、3年生を修了出来そうかな?とホッとしていたのですが…
「宿題、すぐ終わるから大丈夫~」
「先に遊んでも良い?」
今まで、必ず遊ぶよりも先にしていた宿題を後回しにしようとすることが増えたように思うんです。
もしかして…?
「最近、学校の勉強はどう?」
「簡単だから大丈夫!」
もしかして、このままでは「天狗」になってしまうのでは…?
でも、ちょっと待って下さい!
そもそも、どうして「天狗」になってしまうの?
天狗にならないようにする為にはどうしたら良い?
どんな事を心掛けるべき?
ただ闇雲に叱ったり、注意をするよりも、子どもの目線で考えてみることで見えてくるものもありますよ。
お子さんに照らし合わせて、ご覧になってみて下さいね。
目次
勉強で天狗になってしまう原因は?
そもそも、何がきっかけで、子どもは「天狗」になってしまうのでしょう?
理由として考えられる原因は、大きく分けて2つあります。
ご自身のお子さんの年齢や、環境からどちらのタイプに当たるのか、考えてみて下さいね。
基礎問題で出来たつもりになってしまう
主に、3年生頃までに多いのが、こちらのタイプではないでしょうか。
従姉の娘も、まさにこのタイプです。
国語であれば、漢字が書ければ「出来た」と判断し、算数であれば基礎問題が出来ていれば「出来た」と判断します。
特に3年生までで、「足し算」「引き算」「掛け算」「割り算」と一通りの計算式を覚えます。
4年生からは角度やグラフ、小数と整数での計算といった様々な応用が追加されていくので、4年生にあがるまでに、しっかりと基礎を叩き込む必要があります。
その結果、繰り返しのような宿題になる場合も少なくありません。
子どもとしては、同じような問題の繰り返しになり、すらすらと解けることから
「やらなくても大丈夫」
「解るから平気」
と、基礎を叩き込まなければならないのにも関わらず
宿題を済ませる=勉強が出来ている
と思い込んでしまうのが原因です。
予習や塾での先行タイプ
こちらは、主に4年生以上の子どもに多いタイプではないでしょうか。
私立受験などを視野に入れているご家庭であれば、もっと早い段階からこのタイプになる場合もあると思います。
こちらのタイプの特徴は、私立受験を視野に入れている為、学校の授業よりも遥かに先のことを学んでいる場合が多く、その結果として、学校での授業が退屈になってしまったり、必要性を感じなくなることから天狗になってしまうケースです。
理解力や自立心なども成長してきていることから、すぐに気付くことが出来ない場合もあります。
気が付いた時には手遅れになってしまっている場合もあり、より注意が必要です。
では、実際にどのような事を心掛ければ良いのでしょう?
天狗にさせない為に心掛けること
子どもが天狗になるのは「突然」ではありません。
どちらのタイプであっても、必ず天狗になってしまうまで「時間」があります。
何気ない子どもとの会話であったり、宿題に対しての取り組み方や、学校ごとに配布されている教材などから、どんな事を学び、どのように向き合っているかを確認することは可能です。
ここから、私たち「親」が子どもと、いかにして接するかがポイントになりますよ。
基礎問題で出来たつもりになってしまう場合に心掛けてほしいこと
- 基礎問題を生活に取り入れる
- テストの結果は必ず褒めてあげる
- 文章題・応用問題は焦らない
基礎問題を生活に取り入れる
このタイプは、主に3年生頃までに多いとお伝えしました。
まだ、お友達よりも、親と居る時間の方が長い時期でもあります。
だからこそ、普段の生活の中で子どもにゲーム感覚で問題を出してみてはいかがでしょうか。
1年生であれば「足し算」や「引き算」を、買い物に出た時や、家の中にあるものを使って
「今から買うお肉とお野菜を足したら、全部でかごの中は、いくつになる?」
「このおもちゃのブロックをお友達に貸してあげたら、いくつ残るかな?」
と、簡単なもので良いので、子どもが興味のあるものなどに絡めて問題を出してあげてみて下さい。
少し大きなアクションをとりながら出題してあげたり、正解したら
「すごいね!」
「やるなぁ~」
など、盛り上げるようにしてあげると、子どもの方から
「次の問題出して!」
なんて、聞いてくることもありますよ。
問題が解ける楽しさと、褒めてもらえる嬉しさを体感することが出来るのでオススメです。
2年生であれば「掛け算」を子どもと交互に言い合ってみたり、「○段チャレンジ!」と題して、時々こちらで指定した九九の段を通して言ってもらったりするのも良い方法です。
ノートや厚紙などに表を作ってあげて、詰まらずに言うことが出来たらシールを貼ってあげたり、ハンコを押してあげるなど、子どもの好きなもの・好きなことを組み込んであげてみて下さい。
また、詰まりやすい段や、間違えやすい九九などを織り交ぜつつ、突然
「問題!」
と、出してみたりするのも、子どもは楽しんでくれます。
掛け算ばっかり…と思われないように、足し算・引き算の問題を混ぜてみたり、漢字の書き順問題など、別の教科を取り入れてみたりすると、まだまだゲーム感覚で取り組んでくれるので、教材などで時間を取らなくても工夫次第で補うことが出来ますよ。
さて、2年生までであれば、それなりに子どもも、素直に受け止めてくれますが、一番厄介なのは3年生です。
反抗期も重なってくるので、こちらがどんなに工夫しても、まったく取り合ってくれないこともあります。
そんな時は、子どもと距離をとることも候補の一つと思って下さいね。
まったく取り合ってくれない、と書きましたが、反抗期だからといっても「四六時中」というわけではありません。
どうにも機嫌が悪い日もあれば、なんだかとっても上機嫌な日もあります。
「今って、学校でどんなことを教えてもらってるの?」
「解らないとか、難しいな、って思うこととか…ない?」
子どものペースに合わせながら会話をすることで、お互いの距離を保ちつつ、態度や言動から子どもの気分を汲み取るようにしてあげて下さい。
3年生では、主に「掛け算」「割り算」や「分数」「小数」を習います。
反抗期前であったり、反抗期中であっても、こちらの話をしっかりと聞いてくれるのであれば、まだまだ十分に問題を出せば解いてくれます。
ただ、あまりにも簡単すぎる問題ばかりになると「つまらない」という印象が残ってしまい、やる気が削がれてしまいます。
問題をすぐに解いてしまう場合は、
「次は難しさを10上げよう!」
「次は中級の問題にするよ!」
など、飽きさせない工夫や演出を考えておくようにしましょう。
子どもの実力を、しっかりと見極められるように、日頃から会話することを心掛けて下さいね。
お仕事をされていたり、どうしても手一杯になってしまい、忙しいこともあると思います。
そんな時は、週に一度くらいのペースであっても、継続していくことを念頭に置いて下さい。
継続することで、天狗になるよりも
「次の問題も答えたい」
「褒めてもらいたい」
「ご褒美がほしい」
など、子どもは、子どもなりに自分で「頑張る理由」を見つけるようになります。
毎日、必ずやらなくては「いけない」といった義務のように捉えるのではなく、ふと思いついた時や、一緒に出掛けた時など、何かの「ついでに」くらいの気持ちで取り組むと良いですよ。
テストの結果は必ず褒めてあげる
ご機嫌伺いみたいなこと?
そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、褒める「だけ」というわけではありません。
大人になった今であれば、足し算や引き算といった計算は「出来て当然のこと」ですよね。
ですが、「さんすう」を覚えたての子どもにとっては難しいと感じることだってあるんです。
同じように掛け算や割り算も、常に新しいことを沢山覚えて来る子どもにとっては、頭の中でうまく整理出来ないことだってあります。
漢字一つとっても、送り仮名を間違えてしまうことや、一画少なく書いてしまったりすることだって、一度くらいは経験があるのではないでしょうか。
そんな時、子どもにどんな風に声を掛けますか?
「こんな簡単な問題も解らないの!?」
「どうして出来ないの!?」
子どもの事で不安になったり、悩みを解消する為に、この記事にたどり着かれた方であれば、こんな言葉を投げつける方はいらっしゃらないと思います。
これでは天狗になる以前に勉強が嫌いになってしまいますよね。
「よく書けたね!」
「すごいじゃん!」
たった一言であっても、褒められて怒ったり、文句を言う人は大人であってもそう居ません。
子どもであれば、なおさらです。
もし、テストの点数が悪かったとしても、何か一つで良いので褒めることの出来るポイントを見つけてあげましょう。
その上で
「次はこうしてみようよ」
「ここの問題、今なら出来る?」
と、その日のうちにおさらいすることで、子どもの苦手なポイントを理解することが出来ます。
褒めた上で、次の目標や、注意してほしい点を伝えるようにすると、割と素直に子どもは受け取ってくれますよ。
天狗にさせない為には「子どもの頑張りを認めてあげること」も、とても重要なポイントになっているんです。
文章題・応用問題は焦らない
基礎問題は出来ているけれど、文章題が不安…
応用問題になると、問題を理解してないみたい…
天狗になられてしまうのは困るけど、あまりにもテストの結果が悪かったり、同じような問題ばかりをミスすることが続いたりすると、親としては心が晴れませんよね。
ですが、これに関しては「読解力」と「最後まできちんと目を通す」ことが必要不可欠になってきます。
まだまだ集中力の続かない3年生頃までは「出来なくても仕方ない」と、大きく構えてあげましょう。
娘の算数のテストに以前、こんな問題がありました。
1つの長いすに5人ずつ座ります。
全部の子どもが座るには、長いすはいくつ必要ですか?
大人であれば、「全部の子どもが座るには」なので、長いすが7つ必要になるとすぐに理解出来ますが、子どもの頭の中では「割り算を成立させること」を一番に考えてしまいます。
そして、割り切れた部分で答えを導いてしまう場合があるんですよね。
5人ずつ座る=5人にならないと座れない
という様に勘違いしてしまう事もあります。
テストを返却された場合は、点数を見るだけでなく、子どもが間違えてしまった部分を一緒に復習することで、次に繋げていく事ができます。
国語であっても、「○○の感情として正しいものを選びなさい」や「○○は何と言いましたか?」などの、文章を読んだ上で答える問題が多く出されると思います。
どの部分を読むことで、問題に当てはまる答えを導くことが出来るのか、といったアドバイスをあげることで、読解力にも繋がってきますので、焦るよりもまず、一つずつ子どもの疑問を解消していくことを目標にしてあげて下さいね。
すでに基礎問題で出来た気になってしまっている場合であっても、どこかで必ず間違いに気付きます。
ずっと簡単な問題ばかりが続くわけではありませんし、学年があがれば更に新しく習うことも増えてきます。
「教えてもらってる事が分からない」
「授業が難しい」
と、思うようになってきます。
このような状況になった場合も、上記の点を意識しつつ、支えてあげることが出来れば、きちんと道を正してあげることが出来ますので、子どもの為にも根気よく向き合うようにしてあげて下さいね。
予習や塾での先行タイプの場合に心掛けてほしいこと
- 予習・塾の頻度を見直す
- 復習することの大切さを教える
- 子どもと真正面から向き合う
予習・塾の頻度を見直す
予習だけであれば、そのサイクルの中に復習に充てる時間を追加するだけでも変わってくる部分がありますが、塾に通っている場合はそう簡単に復習の時間を取り入れることは困難ですよね。
特に、私立受験などを考えている場合は子どもより、受験をさせる親の方が不安になってしまうことだって少なくありません。
とはいえ、学校で学ぶことを疎かにしてしまっては本末転倒と言えるのではないでしょうか。
学校で教えてくれることは、勉強だけではありません。
同じ年齢の子どもをはじめとし、他の学年の子どもと接することで「自主性」や「協調性」を学ぶことも出来ますし、自分以外の考えや意見を聞くことで様々な「知識」を広げることも出来ます。
最近であれば「道徳」は、自分にない知識を広げたり、相手の立ち位置で物事を考える・登場人物になりきって考えを発表するといった「他者を尊重する気持ち」なども、じっくりと学ぶ機会が設けられるようになりました。
これらを学ぶ際に、学校での授業が退屈と思っていたり、必要性を感じなくなってしまっていては、得られる知識は微々たるものになってしまいます。
子どものノートや宿題などを確認し、どのように学校の授業に取り組んでいるかを把握して、気になる点があった場合は、是非一度、見直しを検討されてみてはいかがでしょうか。
また、復習に関して、学校だけでなく、もっと取り入れたいと考えるのであれば、塾よりも、家庭教師に切り替えれば、カリキュラムの一貫として復習を組み込んでもらうことも出来ますよ。
復習することの大切さを教える
言葉だけを見れば、簡単に思えるかもしれませんが、子どもに「理解」させるというのはなかなか難しい問題です。
特に塾に通っている場合というのは、どうしても学校で習っている事よりも、先の事を学ぶので、学校の授業に対しての取り組み方に差が出る場合があります。
本来であれば、塾で習っていることの復習になる学校の授業を、
「習っていることだから」
「進み方が遅い」
などと捉えてしまっていては、何かのきっかけで理解が出来なくなってしまった時に立ち直ることが出来ないこともあります。
一番の理由としては、子どもであっても「プライド」があります。
引っ込みがつかなくなってしまったり、どうしても自分から言い出せなくなってしまうことだってあるんです。
こんな状況に陥ってしまわないようにする為にも、先のことだけでなく、復習することの大切さを理解してもらえるよう、子どもと会話する時間を取るようにしてみてはいかがでしょうか。
子どもと真正面から向き合う
一見すると、まったく関係のないように思うかもしれませんが、実際、子どものことをどれだけ知っていますか?
もしかしたら、「天狗」になってしまう前兆ではなく、何か伝えたいことや話したいことがあるのかもしれません。
勉強に向き合う時間が増えるということは、家族で接する時間が減るということに繋がりますよね。
勉強が出来ること=正しいこと・偉いこと
というわけではありません。
勉強に時間を取りすぎてしまったが為に、コミュニケーション不足になり、自分の気持ちを相手に伝えることがうまく出来なくなってしまう子も居ます。
あまりピンと来ない場合は「赤ちゃん返り」「幼児退行」などを想像してみて下さい。
どう伝えたら良いか解らないから、注意を引きたくて危険なことをしてみたり、自分を見てほしくて、周りに迷惑をかけるなど、注意深く見なければ、反抗期のように思える行動もあるかもしれません。
ですが、実際は家族とのコミュケーション不足から起こる「子どものサイン」の場合もあります。
学年があがるにつれて、反抗期が重なってしまったり、子どもの中での優先順位などから、会話する機会が減ることも少なくありませんが、「見守ること」と「放置すること」は、まったく違います。
この項目の冒頭でも投げかけた内容ですが、今一度、よく考えてみてほしいと思います。
実際、子どものことをどれだけ知っていますか?
親としての「責任」を考えて
子どもの将来を考えた時、少しでも力になってあげたいと考えるのは親として「当然」のことだと思いますが、それは「責任」とは違いますよね。
私が思う「責任」は、子どもに対して「真剣に向き合うこと」だと考えています。
天狗にさせない為に心掛けることでも、お伝えしたことですが、もう少し掘り下げたいと思います。
「忙しいから」
「時間がないから」
「もう大きくなったから」
こんな風に思い込んではいませんか?
確かに、年齢があがれば「親離れ」してくるのは当然のこととも言えます。
ただ、いくつになっても「親」からすれば「子ども」は「子ども」ですよね。
子どもにとっての一番身近な「先生」は「親」です。
私たち親が子どもに対して、どのように接するかで、「言葉遣い」や「態度」などの「向き合い方」も様々に変化していきます。
「天狗」になってしまう原因も、もしかしたら子どもに対しての「向き合い方」が関係していることもあるかもしれません。
子どもの「行動」や「言動」から、私たちが見直さなくてはならない部分も見えてくることだってあります。
私たちが成長するということは、子どもが成長する機会にも繋がりますよ。
まとめ
子どもが天狗になってしまうのは、必ず「原因」があることを忘れないようにして下さいね。
種類として分ける場合は、基礎問題で出来た気になってしまうタイプと予習や塾で先行学習することでのタイプが主に考えられます。
主に3年生頃までに多い、基礎問題で出来た気になってしまう子どもには
- 基礎問題を生活に取り入れる
- テストの結果は必ず褒めてあげる
- 文章題・応用問題は焦らない
という点を、心掛けるようにしてあげて下さい。
楽しんで学習出来る工夫を考えてあげることが一番の近道ですよ。
私立受験などを視野に入れていたり、学年があがってくると増えるのが先行学習タイプの子どもには
- 予習・塾の頻度を見直す
- 復習することの大切さを教える
- 子どもと真正面から向き合う
という点を、心掛けるようにしてあげて下さい。
塾に通っている場合であれば、復習を取り入れる為に家庭教師に切り替えるというのも、一つの方法ですよ。
真正面から向き合うのは「見守ること」と「放置すること」が、まったく別物だからです。
親としての「責任」は、子どもに対して「真剣に向き合うこと」だと考えています。
子どもは親を映す鏡とも言いますよね。
子どもの「行動」や「言動」から、私たちが見直さなくてはならない部分が見えてくることもあります。
私たちが成長することで、子どもが成長する機会にも繋がるということを忘れないで下さいね。
従姉もその子どもも元気に暮らしているようでこちらも嬉しくなりました。
その中で、「最近勉強で天狗になってきているの。どうしたらいい?」と相談を受けましたので、私がアドバイスした内容になります。
結構小学生は天狗になりやすいので、参考にしてみてくださいね。