子どもを心配して、「この子、勉強でつまづいているかもしれない、どうしよう」「少しでも上位の学校に通える学力をつけてあげたいのにうまくいかない」など、日々心配される親も多いと思います。
どうにかしたいけれど、子どもが小学校3年、4年生になってくると、低学年の頃とは違い、どうにもならなくなってきたと危機感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、私や知人の体験談を交えて、この時期の子どもに親が働きかけるべきこと、やってはいけない事をご紹介します。
これを見て頂いた方が、将来子どもの成長を感じたとき、あの時の苦労が報われたなと思える日がくれば幸いです。
目次
親の関わり方で、子ども、親、どちらも苦労していないか
日々の生活の中で子どもと関わることはとても大事です。ただし、勉強について関わる時にやってはいけない事もあります。それはネガティブな気持ちで接してしまうこと。思い当りませんか?
例えば、こんな事を思ったことはないでしょうか。
・子どもが勉強嫌いな所はどうにかしたい。でも、自分自身も小さい頃、勉強が嫌いだった。
・自分は勉強したのに(親にさせられたのに)なぜ、この子は言うことを聞かないのか。
その気持ちの奥には、勉強がわからない時、勉強をがんばった時、共感してほしくて、褒めて欲しくても充分に満たされなかった子どもの頃の自分がいるかもしれません。皆さんも自身の子ども時代を思い出してみてください。成績が悪かったら怒られてなかったですか?勉強していい成績を出しても「それが当たり前」と褒められることがなかったりしませんでしたか?
自身の心の中、子どもだった頃の自分と向き合い、子どもだった時の自分自身が言って欲しかった事を、目の前の子どもに伝えてみませんか。
私自身、子どもの頃を振り返ると、こんなことを考えたりします。
- 勉強ができなくても大事な家族だと心から思ってほしかった
- 勉強をして肩や腰、足がつかれたことをねぎらってほしかった
- 見たいテレビ、ゲームを我慢していることを認めてほしかった
- 親から「勉強しなさい」と言われる口調がとても怖くて、どきどきしていた
記事をお読みのあなたは、そのころを振り返りどんな言葉を思い浮かべますか?
もしかすると、今は悩み事で疲れている状態なのかもしれません。ゆっくり落ち着いている時に、ご自身へ少し問いかけてみてください。
そして、まずは自分自身が、子どもだった頃の気持ちになってみるという余裕をつくってから、子どもと接してみて欲しいです。
勉強嫌いになる方法
「がんばりなさい」ばかり、励ましているつもりでも、やる気を低下させています。
やめてみませんか。あなたなら何を言われたいですか。
親が付いていないと勉強しない子には
「言われる前にやってほしい」
「わかっていたなら何でしなかったの!」
こんな言葉を子どもに言ったことがあるでしょうか。私自身、子どもの頃にたくさん言われた記憶があります。
親に言われてから片づける。先生に怒られて勉強する。そんな子もいます。もっと多いのは、言われてもしない子です。
そんな時は、親が毎日の生活リズムを整えることや、親自身が勉強や物事にこつこつ取り組んでいる様子を子どもに見せるという事です。親自身が勉強している所を子どもに見せる行為は、子どもにとても良い影響が出ます。
では、なぜ「言われてもしない」のでしょうか。それは、叱っている相手を尊っていないからなのです。
私が知人と子どもの会話で盛り上がっていたとき、とても気になった話がありました。
早く寝なさいと子供に言う → 親が遅くまで起きている
勉強しなさいと子供に言う → 親はスマートフォンのアプリで遊んでいる
宿題をちゃんとやりなさい → 子どもから見て、先生や親も面倒な顔をして、しんどいことは後回しにしているように見える
これでは、口ばっかりだと思われているかもしれません。
親世代の私達が子どもの頃と、今とでは少し状況が違います。年長者が尊敬されるような時代ではなくなってきました。子どもの行動を心から変化させるために、まずは自身が「なりたい見本」になりましょう。
私自身、だらだら見ている
「テレビを消すぞ!」
「決まった時間にお風呂に入るぞ!」
「自宅で勉強するぞ!」と身近なことからチャレンジしています。
もし、子どもが敬っている相手が、おじいちゃん、おばあちゃん、もしくは塾の先生などとわかっていればチャンスです。その方に頼ってみてもいいです。
できれば、その方のどんなところが尊敬できるのか、子どもに聞いてみるのも一つです。
ゲーム、スマホアプリを「しながら」生活している今の子ども
ゲームを一旦、中断する方法について説明します。
ちなみに、インターネットの情報では、「ゲームはやった方が頭に良い」「ゲームはやらせない」など、意見がわかれるところですが、興味関心のある物とうまく付き合っていく事から考えてみましょう。
1.ルールを決める
遊ぶと決めたら、親が時計をみて、「何時までゲーム(youtube)をするの?」と予めゴールを話し合います。
自発的に「何時までする」という約束ができれば最高です。まずはその場で終了時間を決めます。
もし、必要以上に長い時間を要求してきたり、親側が優先しないといけない予定がある場合は、「○○時からは、晩ご飯にしようと思うのだけどどう思う(大丈夫?)」等と意見を聞いてみましょう。問いかけて一緒に決めましょう。一方的な約束ではないことが重要です。
2.時間を決めたら、残り時間の5分~10分前に知らせる
どれだけ約束を守る気でいても、夢中になって忘れてしまう子は多いです。
慣れてくると、時間を気にしながら取り組めるようになりますよ。
3.ゲームは家族みんなの所有物として、子どもだけの保管場所にはおかない
「ゲームはダメ」と言われた子どもは、親に隠れてゲームをするようになる場合があります。
そうなると、ルールが守れなくなります。リビングや家族から見えるところに保管するようにしてみましょう。
私も子どもの頃、ゲームをする時間が決められていたので、こっそりゲームをするクセがありました。
親が「買い物に行ってくる」と言うと、喜んで留守番をしました。
一人なった瞬間に急いでゲームの電源をいれた興奮を今でも覚えています。男性は特に当てはまりますね(笑)
ゲームでなくても、似たようなご経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。漫画も同じ例に当たります。
勉強せず、家では一日ゲームしている事もあるかもしれません。
自分の経験を教訓に、少し環境を工夫する事で誘惑から子どもを守る方法です。是非お試しください。
学校の勉強でなんとかしたい
なんとかしたいのは、授業の点数でしょうか。
勉強と一言でいっても、教科書を使った授業だけではないですよね。
すぐに成績に現れないかもしれませんが、生きていて重要なことも学校で学んでいると思います。
例えば、
・他人とコミュニケーションをとること
・いろいろなものに興味をもつこと
・苦手なことに気づくこと
・得意でなくても学ぶことが好きでいること
私が特に大事だと思うことは、「学ぶことが好きでいる」ことです。長い人生、学ぶことを放棄した人とそうでない人、どちらもいます。学ぶことを放棄した多くの原因は、子どもの頃に、勉強がわからないのに、勉強しなさいと強制されて余計に混乱し、嫌になった事にあります。
子どもの今の成績に焦る前に、「学ぶことが好きでいる」ためになにをすべきか、なにはしないべきなのかを考えてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、学校は、社会に出た時の様々な出来事に対処するための力を育む場所だと感じています。中には学校の先生の中にも熱心かつわかりやすく勉強を教えてくれる方もいますが、そういう先生はごく少数です。ほとんどの学校の先生はただ教科書の内容を棒読みして終了。そういうのが多いです。実際私自身振り返ってみますと、熱心に教えている先生もいましたが、大半は教科書を棒読みして終了というのが多かったです。
学校の先生(特に公立に多い)の場合、子ども達の成績を上げることに重視していませんからね。どちらかと言うと、毎日問題なく生活ができて、定年まで平和に過ごせれたら・・・と考えている方が結構多いです。そして子どもは学校の先生を選べれません。もしそんな先生に当たったら最悪ですよね。
身近な方の体験談を通して思った事
勉強をするか、しないかも大事ですが、親の心の状態がリラックスしていることも大切だと思います。
親のその部分を子どもは見ていますし、良くも悪くもずっと記憶に残るでしょう。
大人目線で、
「子どもに将来こうなってほしい!」
「あんな風になってほしくない!」
という願望を誰もが持ちます。
自分の人生ですら、想像通りに物事を進めることが難しいのに、子どもの人生が計画通りに進まないことを悔やんでも仕方がないと思います。
私は、親ができることは環境設定や、助けてもらえる相手とつなぐことだと思っています。
記事の内容を少しでも試してみようと思ってもらえればうれしいです。
まとめ
勉強する習慣を家庭環境でつくるために
・親が子どものころに言って欲しかったこと、して欲しいことを子どもに伝えよう
・言わないと勉強しないという前に、親や先生が見習いたい相手になろう
・子どもが尊敬できる人を見つけ、勉強するように言ってもらう、子どもが尊敬する相手のポイントを知る
・ゲーム、スマホは終了時間を決める。時間は本人と一緒に納得がいくようにルール設定する
・学校を卒業してからも、「学ぶことが好きでいる」事を視野に入れて、学ぶ興味を育てる
子どもが勉強をする習慣をつけるには、私たち親自身が見本となり、子どもの意欲が湧くような指導をすることが一番の近道になります。「学ぶことが好き」な子どもを目指して取り組んでいってみてほしいと思います。